宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル『ジェイミー』

2011年にイギリスBBCテレビのドキュメンタリー「Jamie: Drag Queen at 16」として放送され、その後ウエストエンドにて「Everybody's Talking About Jamie」としてミュージカル化されヒットした作品が早くも日本にやってきた!
ってことで観に行ってきました。
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日本版の公演が発表された際は、正直観に行く予定はしていなかったのですが、稽古場映像で楽曲を聞いたり、キャストの皆さんのパワーを(早くも)感じて興味を持った感じです。
あと、本作のもととなったドキュメンタリーとは別のドキュメンタリーなのですが、同じくイギリスのChannel 4製作の「11歳、僕はゲイとして生きていく(Extraordinary Teens: My Gay Life)」を見たことがあったので、その影響はあったかも。
とはいえ、最終的に観劇することを決めたきっかけは、お稽古場映像を見た時かなぁ~
なんか、楽しそうで。笑

本作も例によって一部ダブルキャストとなっていて、私が観劇したのはこちらのキャストです。

ジェイミー・ニュー:森崎ウィン (Wキャスト)
マーガレット・ニュー:安蘭けい
プリティ:山口乃々華(Wキャスト)
ディーン・バクストン:矢部昌暉(Wキャスト)
ミス・ヘッジ:樋口麻美
ミス・ヘッジ(女性役U/S):実咲凛音
トレイ、ライカ(男性役U/S):永野亮比己
トレイ・ソフィスティケイ:泉見洋平
イカ・バージン(ヒューゴ/ロコシャネル役カバー):吉野圭吾
レイ:保坂知寿
ヒューゴ/ロコ・シャネル:今井清隆
ジェイミー父/サンドラ・ボロック:石川禅

ダブルキャストとはいえ、特にこだわりがあって選んだわけではないです。基本、大人チーム以外はしらないキャストだったし。苦笑

でも、森崎ウィンくん、すごい良かったなぁ~
歌声はちょっとR&B調でグランドミュージカルとかには合わないかもしれないけど、今作みたいな現代の作品とかだとハマってたと思う。聴いてて心地の良い歌声ですよね。
とりあえず、オープニングナンバーの「And You Don't Even Know It」が明るいポップナンバーで好き。
手拍子がしたくなったんだけど、冒頭だったから(少なくとも私が観た回は)手拍子が起こらなくて一人客席でうずうずしちゃった。苦笑

友だちのプリティといるときや、マーガレットたちの前だと凄く明るくハッピーでいられるけど、ジェイミーの中にある高い壁を登らなきゃって歌う「The Wall in My Head」とか切ない。
でも、この曲って、誰でも大なり小なり同じような壁にぶち当たることってあると思うし、どことなく共感できるというか。とてもいい曲ですよね

しかし、こういうLGBTQとか、個性について受け入れる柔軟性を持っているのは女性が多いのはなんなんでしょうね。
ジェイミーの同級生もそうだし。
そんな中でものすごく保守的というか古い考えを持っている女性教師ミス・ヘッジは結構ムカつくんだけど、「Work of Art」ではミス・ヘッジの言葉(歌)で逆にジェイミーが自分を誇りに思えるようになるのが逆説的で良い。
まぁ、ミス・ヘッジはそんな意図はなかったんだろうけど。
しかし、ホントこの実話になったストーリーがたったの10年くらい前のお話とは思えない。
イギリスってもうちょっとLGBTQに対して理解があると思ってたのでこんなに偏見が残ってたのにビックリした。

そういえば、私が観たミス・ヘッジは元宝塚の実咲凛音さんだったんですけど、ラップ調のナンバーをカッコ良く歌ってて(こちらも)びっくりした。宝塚の人ってポップソングとかそんなに上手なイメージなかったし。

ミス・ヘッジが嫌な大人って思ってたら、その倍以上胸糞悪い大人がまさかのジェイミーの父親で。
もう登場からして嫌い。どうやらジェイミー父とマーガレットはでき婚だたみたいだけど(今は離婚してる)それでも、その時生まれた生まれた息子の事を「失敗だった」って言っちゃう段階で人間性を疑う。
自分が思い描いていたような子供でないと「失敗」なのか。
もちろん、2幕でジェイミーが真実を知ってしまう場面でのジェイミー父も最悪。
クラスメイトでホモフォビアのディーンよりも最悪。
ってかディーンの態度はホモフォビアってよりは単に田舎のお山の大将的なただのいじめっこだし。(だからといっていじめっこが良いわけではないが)

こんなクソな父親(の登場)いる???って思ったけど、これがおおよそ事実だったんだろうし、
世の中には確かにこういう現実もないわけでもないですもんね。
とはいえ、見ていてホントきつかった。
ジェイミーが可哀想


とはいえ、ジェイミーには最強の見方マーガレットとレイと、親友のプリティがいるから前を向けるんだろうね。


ジェイミーの憧れのドラッグ・クイーンとなるロコ・シャネル役の石川禅さんに、2幕ラストでその美脚(ってか凄いお衣装だったな、ホント)を見せてくれるトレイ・ソフィスティケイ役の吉野圭吾さんが出てくると釘付けですよっ!マジで。
殆ど、彼ら大人チーム目当てで観に行ったんだけど、ホント貴重なお姿を見せていただいた気がする。
特に禅さん。笑


学生チームは、プリティ含めもうちょっとお歌を頑張って欲しいと正直思ったけど、まぁ、ものすごく聞かせるようなミュージカル作品でもなかったし、粗削りなのも多少は良いのかな。

とりあえず、場面転換の暗転が何度もあるんだけど、そこで学生チームの子たちがダンスしながらセットを動かすのは凄い良かった。こういう演出は好き。

たまに(微妙に見える程度ではなく)あからさまにスタッフがセットを動かしてるのが見える舞台とかあるけど、やっぱり興ざめしちゃうんだよね。
どうで、セットを動かしたり場面転換するのが見えちゃうなら、『見えちゃう』のではなくて『見せちゃう』みたいな。

 

ミュージカル『ジェイミー』Everybody's Talking About Jamie
HoriPro in association with Nica Burns presents By Dan Gillespie Sells and Tom Macrae From an original idea by Jonathan Butterell
音楽:ダン・ギレスピー・セルズ
作:トム・マックレー
日本版演出・振付:ジェフリー・ペイジ
翻訳・訳詞:福田響志
音楽監督前嶋康明

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