宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル『アリージャンス~忠誠~』

緊急事態宣言が発令されて、もしかしたら公演が中止になるかもしれない。。。
そんな不安な気持ちを持ち続けていたのですが、予定していた公演はギリギリ公演されることになり先月観に行ってきました。
そして、観劇し終わった今本当に心から思う。
観劇出来て良かった。この素晴らしい作品を観ることができて本当に良かった。 

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日系家族の実話を描いた感動のミュージカル!世代を超えて心に響く家族の物語

時代は、真珠湾攻撃が勃発した第二次世界大戦下のアメリカ。
日系人である」というだけで強制収容所に入れられた家族の実話を元にした物語。
そのモデルとなったのは、オリジナルキャストで出演もしたジョージ・タケイ氏と家族の実体験。
ブロードウェイでアジア系ミュージカルの革新的な作品のひとつとして高く評価された。

 公演が決まったときは漠然と豪華なキャストだなぁ~観てみたいなぁ
とぼんやりと思ったくらいの軽い気持ちでした。
その後、軽くあらすじを見かけて、第2次世界大戦中の日系人たちのお話なのか。。。と個人的にはなんとなく観劇意欲が削がれたのが正直なところでした。
私はわりと不真面目なので観劇前に前情報を集めたりもともとしないのですが、本作は東京公演中にとあるライターさん(どなたか忘れた苦笑)が、特に時代背景とか事前に調べなくても理解できる的なことをおっしゃっていたこともあり、その言葉に背中を押されて本当に観劇前の知識は上記引用くらいの知識。苦笑

当時、日本軍が真珠湾攻撃をしたことにより『日系人』ということだけで強制収容所にいれられることになる不条理。
過去の出来事だし、今はいろいろな角度から当時の状況を知っているので、日系人たちのこの不幸な状況に対して手放しで同情したりできない気持ちもあって。
だって、当時は戦時下だったから。
まぁ、不幸や不条理な状況を競い合っても仕方がないんだろうけど。
なんだかよくわからないもやもやとした気持ちで1幕前半を見ていたのですが、次第に本当に引き込まれてきて。
それは果たして演者の力なのか、やはり音楽、ミュージカルの力なのか。

戦時中の強制収容所でのお話っていうと、暗くてツライお話だけかと思えるけれど、軽やかな楽曲も出てくるし、明るい場面もあるんだよね。


観劇し終えてはっきりと感じたのは、これは数ある戦争による不幸な人たち、犠牲者たちのお話でもあるのかもしれないけれど、純粋に『家族の物語』だったんだぁってことでした。

同じ日系人でももちろん考え方なんて人によって違うし、
それが移民してきた1世と、移民先(=アメリカ)で生まれ育った2世とはこんなに違うのかって思わされた。

今、私たちが生きている『コロナ禍』という状況でも、例えば同じ家族間であっても、親しい間柄の中であってもこんなにも考え方や行動に違いが出てくるのか。と思えることが起きているように
同じ日系人、同じ2世の中でも当然ながら異なる考えがあるのは当然で。
相互理解がいかに大切か考えさせられるよね。

自分が信じる信念を貫いたことによって引き裂かれてしまった家族。
遅いといえば、遅いのだろうけれど、最後に希望が持てるような終わり方になっていてよかった。

 

観劇した際の公演キャスト

サム・キムラ(1940年代):海宝直人
ケイ・キムラ:濱田めぐみ
フランキー・スズキ:中河内雅貴
タツオ・キムラ::松原剛志
ハンナ・キャンベル:小南満佑子
マイク正岡:今井朋彦
サム・キムラ(現代)/おじいさん(1940年代):上條恒彦 

 


本作はなんとか千秋楽を見ることができましたが、それでも今回の緊急事態宣言で中止になってしまい観れなくなってしまった公演や、今後予定される延長などで見れなくなるかもしれない公演もあります。

でもだからこそ、大好きな舞台が見れなくなるかもしれない状況にはならないようにコロナ禍でのマナーを守り日々を過ごしたいと思います。


ミュージカル『アリージャンス~忠誠~』
脚本:マーク・アサイト、ジェイ・クオ、ロレンゾ・シオン
作詞・作曲:ジェイ・クオ
演出:スタフォード・アリマ
共同演出:豊田めぐみ
上演台本・訳詞:高橋知伽江
翻訳:渋谷真紀子

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