宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

宙組公演 『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』

先週初日の幕が開いたばかりの宙組公演「El Japón(エル ハポン)」 を早速観に行ってきました。 

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実は個人的に大野先生作品はあまり良かった印象が少なくて、尚且つ、『サムライ』って副題についてるのに、なんだか西部劇みたいなポスターに戸惑い、やっぱり期待できないも。。。と思っていましたが、全然大丈夫でしたー!(疑ってごめんよ)

公式での解説によると

慶長18年、仙台藩が派遣した慶長遣欧使節団の中に、夢想願流剣術の名手・蒲田治道の姿があった。約一年の航海を経て使節団は目的地のスペイン(イスパニア)に到着するが、国王フェリペ3世との交渉が膠着し、港町セビリアの郊外にあるコリア・デル・リオで無為な日々を過ごすこととなる。ある時、奴隷として農場に売られ脱走した日本人少女を助け出した治道は、匿う場所を探して宿屋を営む女性カタリナと知り合う。近隣の大農場主から邪な欲望を抱かれながら、どんな脅しにも屈しないカタリナの凜とした姿に、治道はかつて心惹かれた女性の面影を見出していく。やがて任務を果たした使節団は帰国することとなるが、出航の迫る中、治道のもとにカタリナが攫われたとの報せが入り……。


さて、ここからはネタバレ含む感想です。


最初に軽く解説を読んだ時は、奴隷役がまどかちゃんでその少女と真風が恋に落ちるのかと思ったのですけど違いましたね。苦笑
まどかちゃんのお役も宿屋の女主人ってなってるから、なんかまどかちゃんのイメージじゃないなぁ~って思ったんですけど、宿屋を切り盛りする女主人ってよりは宿屋を経営する男と結婚(する寸前)して女主人になった未亡人(婚前だったようけど)だったのね。
素直に助けた奴隷の娘との恋物語でも良かった気もするけど、トップ娘役が奴隷役ってのもね。違和感あるしね(いや、以前花組ではトップスターが奴隷を演じましたけど。苦笑)
まぁ、でも、日本人とスペイン人が結ばれて、スペイン人としてその後の生涯を全うするってるのが、ある意味必要だったからかもしれないけど。

蒲田治道(真風 涼帆)
冒頭の船に乗る前の着物姿の真風さんが超素敵。凛々しい~。
私は宝塚観劇歴が浅くて、更に、宙組デビューは遅かったので、真風さんのトップになる前の作品はあまり見たことがないのですが、真風って誰かを使ったりするけど、実際にはあんまり自分自身で動いてるイメージがなかったのですが、本作では活躍してる!今までで一番活躍してるっ!(かっちょいい)
先の戦で亡くした想い人の藤乃にまだ未練があるようにしか思えなかった治道が、いつの間にカタリナに惹かれたのか全く分からんが、とりあえず、過去の恋に迷う姿も良いし、最後に好きな女(=カタリナ)の為に戦いに行く姿も男らしくて素敵です。笑

カタリナ(星風 まどか)
なかなか出てこないと思ったら、いきなりの喪服姿でビックリ。
なんか、まどかちゃんって黒いドレス着てること多くないか?(私の思い違いか?)
喪服をやめたと思ったら、次に来ているお衣装が凄い可愛らしい色合いなんだけど、なんか袖部分がへんてこりん(失礼)に感じた。
ダンスも踊ったことのない治道にダンスを躍らせたり、剣術をならったりなかなかぶっ飛んでんだけど、一番びっくりしたのは、亡くなったご主人(恋人?)を想ってずっと喪服を着続けるくらいだったカタリナが、最後にアレハンドロの助言を簡単に承諾して治道と結婚しちゃうところ。笑
(娘役のひとりのセリフが私たちの気持ちを代弁してたよ~苦笑)

アレハンドロ(芹香 斗亜)
キキちゃん、なんか宙組来てからチャラい役多くない?まぁ、似合うしカッコイイから良いんだけど。苦笑
謎の流浪の剣士かと思ったら、実はっ!って事なんだろうけど、そんなに謎めいてる感じがしなかったのは、コメディ担当とも思えるキャラクターのせいでしょうか?
最後に、正体が分かった時にシリアスなキャラクターに変われば、チャラかった剣士の姿の時のギャップで二枚目度が上がったかもだけど、最後までコメディ担当なんだもん。苦笑
でも、お衣装といい髪型といい、かなり似合ってて好きなんだけどね。(髭面も好きだ)

エリアス(桜木 みなと)
悪~いドン・フェルディナンドの息子、エリアス。金儲けや地位に固執する父親とは違い剣の道に(悪意味で)狂ってるバカ息子(苦笑)
悪ぶってるけど、まぁ反抗期の青年って感じで、これは物語の描かれてないその後では改心してんだろうなって思える。それって、やっぱりずんちゃんの隠しきれない人の良さというか育ちの良さがにじみ出てるからかも。苦笑
それでも、最近ぐ~んと男役としてカッコ良くなってきててビックリ。

藤九郎(和希 そら)
前作オーシャンズ11に続き、またしてもこじらせてるそらピ。(苦笑)可愛いヤツめ
ダンスが得意なそらピだからか、殺陣が一番うまかったのはそらピだったと思う。
自分の姉の恋人(許嫁?)を裏切った治道を許せず、その仇を取ろうと狙ってるんだけど、恨むにはちょっと無理な時代じゃない?君主の命で戦地に赴いてたんだろうし、時代的にそうやすやすと戻れないでしょ。まぁ、そらピのこじらせぶりは好きだから良いだけどね~笑

はる(天彩 峰里)
悪~いドン・フェルディナンドに買われ、奴隷として働かされていた農民の娘たちのなかの一人なんだけど、その中のリーダーってわけではないけど、よく出てくる。
まぁ、最初に治道が助けたのがはるちゃんだからってのはあるんだろけど。
いろいろな土地の方言を話す日本人の娘たちがどうやってスペイン人と会話してるか?とか言葉の壁問題はムシした設定何だけど、まぁ方言喋るみねりちゃんが、ちょう~~可愛いから許す。笑
前から好きな娘役さんだったんだけど、可愛いしやっぱり好き。
「にっちゃばっ!」って呼ばれたい笑(いや、ねっちゃばっかな笑)

藤乃(遥羽 らら)
治道の想い人で、治道の夢や記憶の中で出てくるんだけど、なんか「るろうに剣心」を思い出させる(あっ、宝塚版ね)
綺麗な着物姿だし、印象的なんだけど、いかんせん白塗りだし私が宙組さんをあまり知らないもんだから、ららちゃんが演じてるとは全然わからなかった。汗
 


所々、えっ?と思える展開とかあるし、コメディ調にして(もしかして)逃げてる?とも思えなくもないんだけど、全体的には面白かったな。
私、ホント、大野先生にはあんまり良い印象持ってなかったんだけど、やっぱり観てみないと分からないもんですね。印象が変わったかも。



実は、今回の公演、1回だけ観る予定にしてたんだけど、予定外にチケットが取れてしまって、チケットが取れてしまったことに若干後悔してたんですよ。
(特にそれがなかなかチケットの取れないと噂の東京公演のチケットだったので、そこで運を使っちゃうなんて~的な感じで。宙組ファンの方、すみません 汗)
しかも、私が苦手とする大野作品だし~、と思ってたけど、今回見てきて、全然1回以上見れる(楽しめる)作品だったのでホント良かった。

 

ショーの感想は次のページで

 

宝塚ミュージカル・ロマン
『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』
作・演出/大野 拓史

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