宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル『BARNUM(バーナム)』

サーカスなどの興行師P.T.バーナムの半生を描いたブロードウェイミュージカル『BARNUM(バーナム)』を少し前に観に行ってきました。 

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サーカスというかいわゆる見世物小屋の興行主ってことで、現代の価値観で暮らしている私からするとあまり好ましいものではない世界のような気もしたのですが、この作品では実際に見世物となった人たちがFreakのように描かれているわけでも酷い扱いを受けている描写があるわけでもなかったからか、不思議と嫌な気持ちは一切しないで明るい気持ちで見ることができました。

個人的にはこの作品はバーナムの半生を描いているというよりは、バーナム夫妻の物語という感じでした。
バーナム役の加藤和樹さんは少し前に「ローマの休日」で、バーナムの妻チャイリー役の朝夏まなとさんと共演していて、私は「ローマの休日」を観劇していないのですが、そこでの経験があったからなのか、おふたりはとってもお似合いで良いコンビでした。
失敗してもとんでもないことを言いだしても、なんだかんだ言って大きな心で受け止めてくれる器の大きなチャイリー。
私、このバーナム夫妻好きだわ。

朝夏さんが包容力が大きい姿をとても自然に見せられるのは、やはり長年宝塚歌劇団で男役をされてきた経験からなのでしょうか。
そして、面白くてチャーミングな加藤さんを見るのはとても新鮮でした。


バーナムはただただ人々を喜ばせたい、どこか好奇心旺盛な子供のような人で、それに反してチャイリーはとても現実的な女性。そんな二人がとても良い関係を築いていて、バーナムが窮地に陥ってもそばには常にチャイリーがいて支えてくれている。
だからこそ1幕ラスト、2幕前半でのジェニー・リンドの場面がツラいのだけれど。


世界三大サーカスのひとつ「木下サーカス」が協力しているということで、劇中キャストのみなさんがジャグリングを見せる姿などがあって、ミュージカルを見ているのだけれど、どこか『ショー』を見ているように感じさせる演出もこの作品にぴったり。

そういえば、幕間休憩中にステージ上にパフォーマーのフィリップ・エマールさん、マルチパフォーマー石田純一さんの映像が流れて、2幕を待っている間も観客を飽きさせない演出もニクイ。

 

演出といえば、チャイリーが亡くなる場面はまるでアニメーションなどで表現されるような演出で悲しいのだけれど美しい場面でとても印象的でした。

 

あと、本作、ブロードウェイの初演は約30年前の1980年だというのに、楽曲が全然古く感じられない。とてもキャッチ―で耳に残る覚えやすいメロディ。
なんだかんだ言ってミュージカルではやっぱり音楽が一番肝心ですからね。

観劇後に明るい気持ちになれる作品は、実は久しぶりだった気もするのですが、暗いニュースが続く近年ではこのような明るい気持ちになれる作品を見るのは良いですよね。
いろいろと考えさせられる作品も好きなのですが、本作のようなザ・エンターテインメントという作品も好きだったと思いださせてくれました。


今回は一部ダブルキャストだったので備忘録として私の観劇キャストはこちら 
 フィニアス・テイラー・バーナム:加藤和樹
 チャイリー・バーナム:朝夏まなと
 トム・サム:矢田悠祐
 リングマスター:矢田悠祐(ほか ジェームズ・A・ベイリー)
 ジェニー・リンド:綿引さやか
 エイモス・スカダー:内海啓貴
 ジョイス・ヘス:中尾ミエ(ブルースシンガー)

 

ミュージカル『バーナム』
Music by:CY COLEMAN
Lyrics by:MICHAEL STEWART
Book by:MARK BRAMBLE
翻訳・訳詞:高橋亜子
演出:荻田浩一
版権コーディネート:東宝ミュージック
特別協力:木下サーカス
主催・製作:シーエイティプロデュース エイベックス・エンタテインメント

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