宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル 怪人と探偵

新作ミュージカル「怪人と探偵」を観に行ってきましたーー!
本当は兵庫公演を観に行くつもりが、チケット手配をうっかり忘れていて(苦笑)、急遽神奈川公演のチケットを確保して観に行ってきました。

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大正時代から昭和初期に活躍した推理小説江戸川乱歩の少年探偵団シリーズの怪人二十面相明智小五郎。その2人を基に作られたオリジナルミュージカル作品ということですが、私はそもそもこの原作小説になじみがなくて。苦笑
一応本作の、おおまかなストーリーは公式で発表されていましたが。

昭和34年(1959年)東京麻布。
元子爵北小路家の令嬢・リリカと安住財閥御曹司・竜太郎の婚約発表の日、北小路家の大広間では、華やかな仮面舞踏会が催されていた。
パーティの最中、不思議なことに、誰も気づかぬうち、大広間の柱時計には怪人二十面相の犯行予告状が貼り付けられる。
『3日後10時北小路家の家宝「パンドーラの翼」を頂戴する』。
指定の日時、二十面相の犯行を阻止するために、探偵・明智小五郎が北小路邸を訪れる。
明智を一目見た北小路家の令嬢のリリカは明らかにショックを受ける。
明智も動揺を抑えている。
実はリリカには暗い過去があり、明智とリリカには深いつながりがあったのだ。
10時を告げる鐘の音と共に、予告通り怪人二十面相が現れ、「パンドーラの翼」は爆発、明智は負傷し、二十面相がリリカを連れ去ってしまう……。

不真面目な私は、この短いあらすじですらあんまり読んでなくて。苦笑

原案の少年探偵団シリーズが推理小説物だからか、ホントこれはネタバレしちゃダメなんだよね~って展開が待っているのですよ。小さなものから大きなものまで。
ネタバレ含む感想をいつもの通り、だらだら書いちゃおうかなぁ~とも思ったのですが、まだこれからご覧になる人も多いと思いますのでそこはすこし抑えめにしたいと思います。苦笑

プロローグからスカパラ提供のテーマ曲でワクワクして、劇中の楽曲も盛り上がったり切なかったり、ポップなんだけど、昭和モダンって感じで。
ミュージカルだもん、楽曲も重要ですよね。


まず、加藤和樹さん演じる明智小五郎ね。
これは、もう、最初から反則です!登場からしてカッコイイんだもの。
加藤さんってけっして歌うまの俳優ではないと思うのですけど、声が良いんですよね。少なくとも私は好きな声質ではある。
あと加藤さんって、舞台映えするんですよね~。そんな加藤さんがカッコイイ明智小五郎を演じてて。アクションシーンもカッコイイ。
そんな加藤さんが唄う「想い出してはいけないのだろうか」が切なくて。この曲は凄く印象に残ったな。ただ、唐突とも思える明智先生の独白にも似たこの曲が始まった時は、正直びっくりしたけど。苦笑
あと、2幕の「探偵じゃない!」も好きだわ。こういう曲調っていうか、こういう感情をぶつけるような曲を歌う加藤さんが好きなんだよね~きっと私。

中川晃教さんが演じるのは二十面相とリリカの婚約者で御曹司の安住竜太郎
竜太郎は誠実でチャーミングでとにかく、カワイイ。
でも、後から考えるとあの仮面舞踏会や病院で見せたチャーミングな姿はある種計画的だったのではないかとか、思っちゃう。苦笑
対する二十面相はちょっと不気味でイカレタ人物。
嫉妬という感情も含めて、❝ 愛 ❞を手に入れようとする姿はホント、不気味だったよ。ヤバいヤツじゃん、二十面相って。笑
でも、この世で一番綺麗な宝石『愛』を手に入れようとする姿は不気味なんだけど、そのくせ奏でるメロディはなんだか物悲しい
微笑みの影」と「世界で一番綺麗な宝石」は美しくて。
特に、明智の唄う「想い出してはいけないのだろうか」に途中から重なる形で奏でられた「微笑みの影」が切なくも悲しい。(好きだ)

令嬢リリカを演じる大原櫻子ちゃんは、私にとっては初めましての女優さん。
最初歌声を聞いた時は、ちょっと地声がニガテかもって思ったんだけど、「微笑みの影」での三重奏を聞いているうちにだんだん好きになってきた。
3人のハモリは綺麗だったな。あと「魔法の滅びたこの世界で」も凄い良かったし。
小柄な女優さんみたいでアッキーとの並びも似合ってた。
普段ポップスを歌われているみたいだからか、いわゆるミュージカル歌唱ではないと思うのですが、歌演技が素晴らしかったと思いました。

北小路夫妻を演じる今 拓哉さん樹里咲穂さんの場面は、歌詞はともかく(苦笑)ぱっと明るいミュージカルって感じで好きな場面の一つかも。
小狡賢いんだけど、憎めない感じの夫婦で。笑
コメディ部分を担当してるんだけど、ある意味この舞台を締めてるのかも。
(緩急ってヤツ)

そしてフランク莉奈さんが演じてる明智先生の秘書マユミの唄う「マユミの白昼夢」ね~。ってきり北小路夫妻と同じコメディポジションなのかと思ったら、あの場面で見せた最後の狂気には意味があったんだなぁ~と後から気づく私。苦笑



舞台を観てて思ったのが、明智先生率いる探偵チームは長身スタイル良しが多くてちょとお歌はニガテ(その代わりダンス頑張る)
アッキー二十面相が率いる怪人チームは小柄で、探偵チームと比べるとお歌が得意。(でもそんなに踊れない)
これは意図的?
まぁ、二十面相がたくさんいるからそこは必要だったのかな。苦笑

作中にちりばめられたツイスト展開だけど(そして、そのどれもに驚かされた単純な私。笑)最後のツイストはある意味ミステリーの鉄板でもあり、驚くべき展開でもあったんだけど
この作品が舞台なだけにね。苦笑
現実ではサイズ的にあり得ない~!と思いつつも十二分に楽しむことのできた作品でした。

 

唯一引っ掛かったのがリリカの気持ちかな。
竜太郎の愛を受け入れて愛してると言ったけど、そうじゃなかったって事?
自分が愛した人が、自分が思っていた人物ではなかったから?
本当に愛していたら、その相手がどんな人間でも変わらず愛しそうなものだけど。
それとも結局明智が好きだったって事なのか。

よくわからん苦笑



新作ミュージカル『怪人と探偵』
原案:江戸川乱歩
作・作詞・楽曲プロデュース:森 雪之丞
テーマ音楽:東京スカパラダイスオーケストラ
作曲:杉本雄治(WEAVER)
音楽監督:島 健
演出:白井 晃(KAAT神奈川芸術劇場芸術監督)
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