宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

雪組「ファントム」観劇 第2幕

観劇の感想を書いていたたら長くなってきたので、ここからは2幕の感想になります。
当然ネタバレ含んでます。苦笑

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1幕がだいもん(望海風斗)きいちゃん(真彩希帆)の美しい歌声を堪能させてもらう、エリッククリスティーの物語だったとしたら
2幕は、エリックの過去、そしてエリックとキャリエール(彩風咲奈)の親子の物語ですね。

キャリエールがクリスティーヌに自分の過去を告げる場面、キャリエールの声色からはまだエリックの母ベラドーヴァを愛しているように感じました。
時代が時代とは言え、キャリエールの犯した罪はあまりに大きいと思うのですよ。冷静に考えたら。
でも、咲奈演じるキャリエールから自分に対する懺悔の念が痛いほど感じられ、また、若きキャリエールを演じるひとこ(永久輝せあ)がさわやかに青年期を演じているからそこまでクズに感じられなかったのかもしれません。まぁ、クズですけどね。苦笑
最初見た時、正直、キャリエールやエリックが、クリスティーヌの歌声を聞いてその姿を重ねるほどの歌声だったというベラドーヴァきわちゃん(朝月希和)が演じるのは酷だなぁ~と思いました(きわちゃんじゃなくても難しいですよね。特にお歌がね)
きわちゃんもお歌が上手な方なのですが、まさに天使の歌声のきいちゃんと比べると。。。ね。でも、The Story of Erick (エリックの物語)の中で唄うマリア様への祈りの曲は素晴らしかったです。

キャリエールからそこまでエリックの物語を聞いた後での、クリスティーヌの歌。My True Love(私の真の愛)が美しかっただけに、クリスティーヌの言葉を信じて仮面を外したエリックに対する仕打ちは酷い。
そして、母の面影をクリスティーヌに感じ、彼女を信じ、そして裏切られたエリックが叫びが悲しすぎて。My Mother Bore Me (私を産んだ母)
オペラ座の怪人』のクリスティーヌのように自分で無理矢理 仮面を剥ぎ取っておきながら恐怖におののくクリスティーヌも相当酷いですが、『ファントム』版のクリスティーヌも結構酷いですよね。

自分を愛してくれると信じたクリスティーヌに裏切られて打ちひしがれるエリックだからこそ、この後に続く父キャリエールとの場面がより感動的に感じるのでしょうか。
父の偉大な愛を感じる。
キャリエールはベラドーヴァを守れなかったことをずっと後悔しながら、そしてベラドーヴァとエリックを捨てた自分を責めながら、そしてベラドーヴァが死んだ後はずっとエリックを父として愛してきたのでしょう。
それが感じられるから、(過去のキャリエールが割と諸悪の根源なのに)こんなに感動的なのだと思うのですよね。You Are My Own (お前は私のもの)のふたりのデュエットの美しいこと(涙)
ふたりがエリックの顔について冗談を交わすところも愛おしくて。
しかし、咲奈はだいもんとのお歌の相性がいいですよね。まぁ、相当お歌の稽古頑張ったんでしょうけど、デュエット聞いてて、だいもんとも遜色なかったですもんね。


このまま親子の絆を確かめ合ったまま静かに暮らせればいいのですが、まぁ、そうはいかないですよね。
クリスティーヌを取り戻そうとエリックを追い詰めるシャンドン伯爵(彩凪翔)が、もうこの時点では悪者にしか感じられなかったのですが、でも伯爵のおかげで警官たちがエリックを撃てないってなった時は、伯爵(逆に)ナイス!と思ったのですが、結局それでエリックが生け捕りにされそうになってしまうわけですもんね。(なんて浅はかな私の考え)
生け捕りにされてしまたら、(時代的に)見世物になってしまう。それが分かっていたからこその先程の You Are My Own (お前は私のもの)歌詞なのですよね。。。。


そして、エリックの顔を見て1度は拒絶してしまったクリスティーヌだったけど、エリックの魂に触れ彼を愛する場面があることが救い。
最後にエリックは音楽を聴くことができただけでなく、クリスティーヌの愛を感じることができたのだから。(でも悲しい)


華やかな場面がいくつかあった1幕と比べると、2幕は暗くて重くて悲しくて、でも感動もして。とにかく劇場に涙が溢れてしまう、そんな2幕でした。


まぁ、でも、宝塚って、悲しい作品観た後でも、2幕でショーがあったり、本作のような1本物でもプチショー(フィナーレ)があるのが良いですよね。
心が沈んだままで帰ることがない。笑顔になって帰れますもんねー。笑



三井住友VISAカード ミュージカル『ファントム』
PHANTOM
Book by Arthur Kopit
Music and Lyrics by Maury Yeston
Based on the novel by Gaston Leroux
脚本/アーサー・コピット 作詞・作曲/モーリー・イェストン
潤色・演出/中村 一徳 翻訳/青鹿 宏二

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