宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル「マリー・アントワネット」

革命続きの今年の観劇でしたが、締めくくりにマリー・アントワネットを観てきましたよ~

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 こちらもミュージカルにありがちな一部ダブルキャストとなっています。
私が観劇したキャストはこちら(役替りでダブルマリー両方見た)
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 マリー・アントワネット花總まり笹本玲奈
 マルグリット・アルノーソニン
 フェルセン伯爵:古川雄大
 ルイ16世佐藤隆紀、原田優一
 レオナール:駒田一
 ローズ・ベルタン:彩吹真央
 ジャック・エベール:坂元健児
 ランバル公爵夫人:彩乃かなみ
 オルレアン公:吉原光夫
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正直なところ、フェルセンは田代万里生で観たかったのですが、私の公演では選択肢なして(涙)古川君でもいいけどさぁ~選ぶことができるのなら、万里生さんが良かったな。(万里生さんは博多座、帝劇のみ)昆ちゃんマルグリットも観てみたかったけど、ソニンマルグリットが凄かったからなぁ

さて、あらすじは有名な首飾り事件を絡めながら、愛に生きるマリー・アントワネットと革命の道を進むマルグリット・アルノーの2人のMAの物語です。
タイトルは「マリー・アントワネット」となっていますが、観終わった後の個人的な感想としてはマルグリットの方が主役だったと感じました。まぁ、描かれ方が革命派よりに描かれてるからしかたがないんでしょうけどね。

1幕と2幕でマリー・アントワネットを取り巻く状況と、フランスの状況は全く違っていて、1幕は豪華で華やかな世界に生き、またスウェーデン貴族・フェルセン伯爵への愛を募らせているマリーと飢えと貧困の中でマリー・アントワネットを憎むマルグリットの姿。
2幕ではバスティーユ襲撃後のフランスで囚われの身となったマリーと、彼女を監視する役割を担ったマルグリットの2人の関係が徐々に変わっていく姿をマリー・アントワネットの処刑までで描かれています。

私は最初に笹本マリー版を観たのでよけいにそう感じてしまうのかもしれませんが、1幕の世間知らずで現実から目を背向けてたただたフェルセンへの愛に生きる甘ったるくて愛らしいマリーは花總マリーよりも笹本マリーの方がしっくり来たなぁ。
花總マリーも愛らしいのですが、過去に何度も描かれている少女漫画のような『マリー・アントワネット』って意味ではやっぱり笹本マリーかなぁ。
玲奈ちゃんって初演ではマルグリットを演じてたんですよね。初演からずいぶん経っているとはいえ、本当にまったく逆のお役でなんか凄いなぁ。
2幕はおふたりとも素晴らしかったです。ってか、2幕は凄いんですよね。
マリーがとかってよりも作品全体のパワーとか、マリーとマルグリットとのぶつかり合い(デュエット)とか。
あと、ヴァレンヌ逃亡事件の後から処刑されるまでの姿とか。
2幕を観に行くってだけでも十分観る価値があると思う。

ソニンマルグリットは、自分(市民)の置かれた不幸な状況をマリー・アントワネットを憎むことである意味生きる糧として過ごしてきた嫌な奴で全然共感できないような人物なのですが、マルグリットの境遇とかがツラすぎて、でも、完全にマルグリットに同情することもできなくてでも観ていて胸がきゅ~~ってなるんですよね。
興味深いのは1幕ではただただマリーを憎んでいたマルグリットが、2幕で生身のマリーに触れ合うことによって真実の姿が見えてきて、そして、自分が信じていた『正義』が作られたもの=嘘や噂話 だったことを感じてそれがあの最後の革命裁判の場面だと思うのです。もう、この場面が一番つらいんだけど、一番好き。
この作品の中で一番変わった(成長した?)のは、マリー・アントワネットではなくマルグリットだと思う。

 

マリー・アントワネットの愛人の一人で作中では彼女の最愛の人として描かれているフェルセン伯爵はマリーに大人になるよう説得を何度か試みるのですが、なんとも弱々しいのは古川フェルセンだからでしょうか。
貴公子然とした綺麗な顔してるしスタイルも良いんですけどね~
まぁ、これは好みの問題かもしれませんが。個人的にMAでのフェルセンはあまり印象には残らなかったです。

強烈な印象と言えば、オルレアン公吉原さんでしょうね~。やっぱり。
自分が王座に就くために王を失脚させようとその王妃マリー・アントワネットを陥れる悪い貴族なのですが、まぁカッコいいのですよ。
吉原さんはお歌はもちろんガタイもいいし迫力があって見ごたえ十分。
そして、悪役を立派に演じられていて、マリーが処刑された後でずーんと沈んだ後、マルグリットに告発される場面では、悪役が倒された感が強く出て少し救われた気がするのです。

ルイ16世は、シュガー、原田さんと両パターン見たんですけど、なんかねぇ、これも好みの問題なんでしょうけど、もう、シュガールイが可愛くて可愛くて。
シュガールイの歌う「もしも鍛冶屋なら」がもう素晴らしくて。温かみがあってなんて美しいお歌なんでしょう。
こんなに愛らしい夫がいるのに何が不満なの?マリーって感じ。苦笑


最後の「どうすれば世界は」はあまりにも露骨すぎてちょっと説教臭いなぁと思わないでもないのですが、まあでも全体的にクオリティの高い見ごたえのある作品で年内の観劇納めができたのは良かったなぁ。

あぁ~~、しかし、マリーとルイ・シャルルが引き離される場面とか、史実での彼の運命を知ってるだけにツラすぎますね。
MA観た後には、ホント、スカーレット・ピンパーネルが無性に観たくなるよ。
(宝塚版でも梅芸版でもいいから再演してくれ)


さてMAもDVDが発売になるのでちょっと気になるけど、キャストの組み合わせとかがあるから考えちゃうかな~苦笑


ミュージカル「マリー・アントワネット
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ 
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ 
演出:ロバート・ヨハンソン
遠藤周作原作「王妃マリー・アントワネット」より
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