宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル グレコメ 観劇

2019年の観劇始めは「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812」略してグレコメです!!!

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客席の中に張り巡らされたステージで繰り広げられたというBW版。日本版ではステージにオーケストラピットのように低い空間が4ヶ所(ステージ中央と後方)とオケピの横に1ヶ所。(計5ヶ所)

チケット手配の際に悩みに悩んだ末に、通常S席を手配。まっ、コメットシートに座りたくても取れる気がしないけど。苦笑

 

開演5分前くらいには演者(アンサンブル)がステージや客席に登場するらしいと聞いていたので10分前には着席して万全の態勢。笑


さてここからネタばれ含む感想です。

コメットシートであればステージに囲まれているからもちろんキャストが目の前を通るし演技ももちろん歌も披露するんですけど、通常の座席でも割と客席降りての演出が多用。

運が良ければキャストからピロシキやエッグシェイカーや、手紙が貰えるかも。

さてさて、そんな舞台の作りだし、演目は「戦争と平和」の一部だし、sung-throughミュージカル(全編が歌で進む形式)なので、じっくりお話を追いたいタイプだと微妙感じるかも。(わちゃわちゃしてるので)

逆にショーみたいなことがたくさんあるし、好きな人にはたまらない舞台だと思う。

私は割と好きです。何度も観たくなるわけじゃないけど、こういう演出結構好き。

 

主人公なのにちっとも物語を動かさなくて、猫背で本を読んだりマトリョーシカを並べたりばっかりしてる変人のピエール(井上芳雄
でも、アコーディオンを弾きつつ唄いながら登場する場面は流石です。しょっぱなから聞かせてくれる。
そして、もちろん1幕後半の「塵と灰/dust and ashes」と2幕最後の「The Great Comet of 1812」はまさに圧巻!
ピエールは自分が私生児だったり愛のない結婚生活をしているという背景から、1幕ではホントどうしようもない。
エレンの浮気相手のドロホフとの決闘シーンまではホント、冒頭のアコーディオンの場面以外は、ずっとオケピの中にあるピエールの部屋に居て本を読んだりお菓子を食べたりお酒を飲んだり寝たり
マトリョーシカを並べてるらしいとは聞いてはいたのですが、まさか舞台上で寝るとはっ!とビックリしました。(もちろん演技でしょうが)
冒頭の各役柄のいわゆる自己紹介ソングで、『若い老人』と表現されていたピエールですが、芳雄ピエールはまさにその通りで、だけどロシアクラブの場面から始まるドロホフとの決闘、そして続く「塵と灰」の一連の場面、そしてナターシャに愛のようなものを告げたところからの場面はまさに死んだように生きていた若い老人が生き返るのですよ。だからこそ最後の場面は感動的になるのだと思いました。

ナターシャの婚約者のアンドレイの妹マリア(はいだしょうこ)ボルコンスキー老公爵(武田真治の場面は、まぁプロローグでカッコいいアンドレイ姿を見せていた武田さんのギャップでは長年のバラエティ出演で培ったものなんでしょうが、びっくりした。またコメットシートの観客を巻き込んだ小芝居が面白い。ベタなんだけど想定してなかったから眼鏡ところはとくに面白かった。しかし武田さんはミュージカルに出演したことがある割に普通に歌は下手なんだけど。苦笑
まぁ、ボルコンスキー役なのでそんなに気にならないけど。
逆にしょうこお姉さんはお歌が上手なんですけど、やはり最近舞台に立っていないからか高音が出てないのにびっくり。
でも、さすが元タカラジェンヌ(娘役)。可愛らしくて立ち姿は美しい。

 
ピエールのお金だけが目的でピエールと結婚したエレン(霧矢大夢は、さすがの貫禄と色気で兄妹のはずのアナトール(小西遼生といちゃつく場面とか、いやらし上に兄妹なもんだから観ていて気まずい気持ちになちゃったよ。
ナターシャには婚約者がいると知りながら、また、アナトールは既婚者だというのに兄がナターシャを誘惑するのに積極的に手伝う完全な悪女なんだけど、またエレンが唄う「Charming」はカッコいんですよね~。
小西アナトールは、まぁカッコいい事っ!整ったお顔立ちしてるし長身ですしね。高音が出ない(頑張ってたけど)はちょっと残念だったけど、2幕の「Letters」はいやらしくて雰囲気もたっぷりで小西アナトールでは一番好きな場面かな。観てて、来年のミュージカル小西さんバージョンでもみたいかも~と思っちゃった。(迷う)
個人的には霧矢さんが小西さんの妹役ってのがちょっと変な感じに思えたけど。(姉ではなくて?)

ナターシャの親友で従姉妹のソーニャ(松原凜子)
凛子さんのソーニャは可憐で親友に献身的なのに、それがまったく理解していないナターシャ。ソーニャがアナトールの手紙を読んでしまって、ナターシャを諭そうとする「Sonya & Natasha」と「Sonya Alone」は素晴らしい。なぜナターシャにソーニャの声は届かないのか。
こんなに親友思いなのに拒絶さ、悲しむソーニャが観てて哀れで不憫だった。


ナターシャの名付け親マーリャ D.(原田 薫)は、迫力があってお歌も上手だったんですけど、後で観たら普段はどちらかといえば裏方の方(振付)の人だったそうでビックリ!だって、上手だったんですもん。
出番はプロローグと2幕のナターシャとアナトールの駆け落ち失敗事件後にナターシャを叱咤する場面くらいなのですが、特に2幕の「In My House」は迫力があって印象には残りました。
ホント、自分をこんなにも想ってくれる名付け親と親友がいるのにバカなナターシャ。。。

驚いたといえば、バラガ役のメイリー・ムーさんがお歌が上手だったって事!「Balaga
大きなお顔も(失礼)このお役の場合インパクトもあってぴったりだった。



正直、ミュージカルを観る際に選択肢がある場合は避けてきた生田絵梨花さん。でも、先日TVでM!の曲を歌ってる姿とかをみて、少しはまともになったのかな?と思ったのですが。はたして
まぁ、本公演ではシングルキャストなので選択肢がなかったと云うことで(若干)不安だったのですが、衣装と役柄のせいかはたまたアイドルという職業のせいか華はまだ若干あるようには見えたのですが、私には無理でしたわ。
確かに楽曲は割と難曲があったりするわけですけど、ナターシャはピエールと並ぶ主役なわけじゃないですか。それに対してあのレベルの歌唱力は酷い。
凛子さんが上手なもんだから同じ場面の前後で歌ったり、また、芳雄ピエールのナンバーの後で歌ったりするから余計に拙さ加減が際立っちゃうし。
もうミュージカルに出演するようになって2~3年経つはずなのに声量のないか細い声。音程は不安定だし。
まぁ、開幕して間もない日程での観劇だったからってこともあるとは思うのですが。
ナターシャというお役にしても、役柄の描かれ方のせいかもしれませんが、もしくは、それこそが若さゆえの傲慢さってやつなのかもしれませんが、全然魅力的じゃないんですよね~
むしろ、その逆。
ということで、私の中では生田さんは引き続き避けたいキャストとなりました。苦笑
(お歌については生田さんよりあれれなキャストもいたのですが、まぁ個人的な印象なので。あと、あくまでも主役クラスを演じるって意味で)


1階の通常S席での観劇だったのですが、割と見やすい席でグレコメならではの演出が良く見えたのでそれについての感想(せっかくなので備忘録として)はこの次に書き残したいと思います。


ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812
音楽・詞・脚本・オーケストレーション:デイブ・マロイ
訳詞・演出:小林 香
原作:レフ・トルストイ(「戦争と平和」より)
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