宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル レディ・ベス

3年ぶりの再演で、本日大千穐楽を迎えたレディ・ベスを先日観てきました。
オペラグラスが要らない結構な良席で、開幕前からテンション上がりめな現金な私。笑

  

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私が観劇した日のキャストは ↓です。今回も一部Wキャストだったのですが、日程の都合で個人的セカンドベスト(失礼 )キャストだったのですが、十分楽しめました。

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   レディ・ベス:花總まり
   ロビン・ブレイク:山崎育三郎
   メアリー・チューダー:吉沢梨絵
   フェリペ:古川雄大
   アン・ブーリン和音美桜
   シモン・ルナール:吉野圭吾
   ガーディナー石川禅
   キャット・アシュリー:涼風真世
   ロジャー・アスカム:山口祐一郎

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言わずと知れたイングランド女王エリザベス1世の若かりし頃を描いた作品。
また、「エリザベート」や「モーツアルト!」を手掛けられたミヒャエル・クンツェ脚本、シルヴェスター・リーヴァイ楽曲、小池修一郎演出となっているので、ミュージカルファンには比較的なじみのある制作陣ですよね。

 

若かりし頃のエリザベス1世 ❝レディ・ベス❞ の淡い恋の物語なのかと思ってたのですが、いやもちろんそれも描かれているのですが、物語の大きな軸は、異母姉妹のメアリーとの確執と、実母アン・ブーリンについてなのかな。と思いました。個人的に恋愛ものを期待していたわけではなかったので、良かったです。むしろ、恋人のロビンとのシーンはもう少し少なくてもいいくらい(苦笑)
まぁ、ダブルキャストですし、役者が違えばまた違った印象を受けるのかもしれませんけどね。

 

レディ・ベスことお花さん(花總まり)は、なんでしょうね。今回のキャストの中では特にお歌が上手な方とは言えないと思うのですが、佇まいというか、演技力というか、1幕のお花さんはもうただひたすらに可愛らしくていじらしくて。
お花さんが醸し出す ❝少女らしさ❞ って何なんでしょうね。本当に凄い。
個人的には、ベスが母と同じようにロンドン塔に幽閉され、母の無実を悟った場面の歌は素晴らしかったです。私、可愛らしいお花さんよりも、自我に目覚めたりして力強く歌う時の方が好きなのかも。

 

お花さんが誰からも愛されるような愛らしい王女なもんだから、吉沢さん(吉沢梨絵)演じるメアリーが本当に嫌な奴に見えるんですよね。いじわるそうな顔してる。
でも、個人的には2幕のメアリーとレディ・ベスが和解(?)するシーンで、吉沢さんがメアリーの抱えていた孤独を歌うシーンは、もしかしたら今回一番共感して感動したかもしれません。この場面、本当に素晴らしかった。

 

ベスがその生い立ちからずっとある種憎んでいた実の母アン・ブーリン和音美桜)。ベスはずっと彼女の影(自分自身が作り出した影かもしれませんが)に怯えている様でしたが、アン・ブーリンが伝えたかったのは自分の無実ではなく、 ❝愛するということ❞ だったと思います。ただ、それは1人の女性としてではなく王女としてイングランドを愛する事だったのかな、と。(あくまでの個人的解釈です) 和音さんの歌声と存在感も素晴らしかったです。しかし、実年齢でいうとお花さん和音さんよりずいぶん年上なのに、逆の年齢設定ってのがなかなか凄いですよね。(苦笑)

 

 ベスの恋人となるロビンを演じるのは、最近テレビドラマなどにも出演が増えている育三郎(山崎育三郎)ロビンとその仲間が出てくるシーンは、なんていうか、ぱっと明るくなるんですよね。あと、酒場のシーンとか見てて楽しい。

 

ベスの家庭教師で本作のストーリーテラーでもあるアスカム先生(山口祐一郎)大ベテランミュージカル俳優でもいらっしゃいますが、個人的には山口さんの歌い方はあまり好みではないのですよね。汗
でも、2幕の山口さんお歌と演技は良かったです。普通に感動した。苦笑
あと、山口さんの醸し出す雰囲気とかは好きでした。
数年後の再演には万里生(田代万里生)とかが演じてくれたら良いなぁなんて思いました。

 

ベスの教育係キャット・アシュリー(涼風真世)は、相変わらず美しくて。歌声も素敵でした。結構出番はあるのですが、どうしても作品の特性上か、吉沢メアリーや和音アン・ブーリンと比べると印象があまり残っていないのが正直な個人的な感想です。

 

メアリーの結婚相手スペイン王子フェリペ(古川雄大)なんていうか、今回初めてカッコいいと思ったかも。いや、声量とかは相変わらず他のキャストと比べると少ないのですが、やっぱりスタイルが良いのは舞台映えして良いなぁ~と思いました。
友人が、雄大のファンでベタ褒めを日頃聞かされるのですが、イマイチ自分的には「そこまで???」だったのですが、今回はカッコよく見えた。いや、特段かっこいいお役ではないんですけどね。
恋を教えたり、市民生活をベスに見せて知見を広げさせてくれるロビンよりも、なんだかんだと、自分の好奇心の為かわからないけれベスを窮地から助け出してくれたり、最後にガーディナー石川禅)から、ベスたちを救ってくれることになるフェリペの方が素敵に見えてしまいました。苦笑

 

 

舞台全体として、個人的には1幕よりも2幕の方が断然好きですね。あと、セットが素敵。今回は前方席だったので、次回観る機会があれば後方席から全体を観てみたいです。まぁ、それはほとんどのミュージカル(舞台)で言えることですけどね。前方席、2階席、真ん中くらいとかで各1回くらい観たい。お金があればそうするのですけどね。。。私には残念ながら無理ですわ。お金があったって、そう都合よく希望の席が取れるわけじゃないですしね。

 

 

ずいぶん昔の映画ですが、ケイト・ブランシェット主演の「エリザベス」を観たことがあったり、ロンドン塔など訪れたこともあるので、作品全体を観ながらそれらをぼんやりと思い出しました。
あと、学生時代友人からヘンリー8世は女の敵で何人もの女性と結婚しては処刑したなどの数々の逸話を聞かされていたので、どうにも作中ベスとメアリーが「ヘンリー8世」の子供であることに拠り所を求めているのに、個人的には超違和感。
現在も現存するイギリスの有名な建造物やお城をみると、王としては立派だったのかな?と思わないでもないですが、父親としては最悪じゃない?と思ってしまうのです。

 

また、観ていて「レディ・ベス」ってベスがイングランド女王として即位するまでを描いてるわけじゃないですか。彼女が即位したのって20代そこそこだったわけなので、お花さんではない役者さん起用でも良かったのかなって。いや、だからこそダブルキャスト平野綾さんがいるのかもしれませんけどね。お花さん、年齢を感じさせない可愛らしさとかはあると思うし、ベスも凄く合っていたのですが、平野さんバージョンも観てみたかったなと思いました。(平野さんでもなくても良いが)

 

あと、エリザベス1世って映画とか小説とかいろいろ題材になっていると思うのですが、本作を観て個人的にはメアリーのお話とかも観てみたいなって思いました。エリザベス1世は不幸な少女時代を送ったかもしれないけど、女王となってからはイングランドの黄金時代を築いたとして有名で、当時も今も割と人気があると思うのです。それに比べてメアリーは少女時代も女王時代も割と不幸でエリザベス1世よりもドラマがあると思うんですよね。可哀想な愛称(蔑称)も付けられて、カクテルまで作られてそれが現在までも浸透しちゃってるし。

 

 

意外と見る前はそこまで期待していなかったのですが、やっぱり観てよかったなぁ~と思えました。割と好きな作品だわ。舞台は生で観てみないとやっぱりわからないものですね。(もちろん生が良いけど、DVD出ますよね。購入考えちゃう。笑)

 

 

 

ミュージカル「レディ・ベス」
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詩:小池修一郎

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