宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

舞台「暗くなるまで待って」

普段観劇は、宝塚やミュージカルがメインでストプレ(ストリート・プレイ)は観に行かないのですが、今回は割引チケットが入手できたのでせっかくの機会だし、ってことで行ってきました。舞台「暗くなるまで待って」です。

  f:id:annakobayashi060:20190216204315j:plain

ホント何年かぶりに観るお歌のない舞台観劇で、最初は行く気が全くなかったのですよ。でも、割と好きなミュージカル俳優の加藤和樹さんが出演されていて、尚且つ凄い悪役って聞いたので(苦笑)衝動的に思わずチケットをポチっちゃった。

さてさて、ストーリーといえば、昔オードリー・ヘップバーン主演で映画化されているそうなのですが、まぁ、古い作品だし当然観てなくて。苦笑
チケット購入時になんとなくざっくりしたあらすじだけを知っている程度でした。苦笑

舞台となるのは、盲目の若妻・スージー凰稀かなめ)と夫・サム(松田悟志)が暮らすロンドンのアパートの一室。サムは空港で預けられたという、実は麻薬入りの人形を持ち帰る。その人形の行方を探すロート(加藤和樹)に命じられたマイク(高橋光臣)とクローカー(猪塚健太)は、スージーを騙し人形のありかを聞き出そうとするが、彼らの言動に不審を抱いたスージーは少女グローリア(黒澤美澪奈)の協力を得て、男たちに立ち向かう――。  


いつもながら、ネタバレ含む感想です。

あらすじからもわかる通り1部屋で繰り広げられるシチュエーション・サスペンスで登場人物も6人のみ(最後にあと2人出てくるけど、実質6人)

この作品の見どころといえば何と言っても盲目のスージーと悪党3人とのだましあい。
特にロートとスージーが対決する最後の、本当に真っ暗の中で繰り広げられる場面は息をのみます。
この真っ暗な世界が目が見えない人たちの世界なんだと感じると同時に、盲目のスージーにとっては暗闇は有利であり、ロートにとっては不利な世界なんだなぁと。

舞台冒頭、刑務所帰りで、またけちな詐欺でも企んでいたマイクとクローカーが、まんまとロートに騙されてロートのたくらみに加担させられるまでの流れもなかなかの展開。
そこから、スージーの夫サムの軍人時代の友人を装ったマイクがやってきて、それをきっかけに警察を装ったクローカーがスージーの所にやってくる。
そしてそれらをコントロールしているのはロート。

スージーと主にやり取りするのはサムの友人を装ったマイクで、演じられている高橋さんも誠実そうで優しそう面持ちなので、最後背後からロートにサクっと首切られて殺されてしまう展開にはビックリ。ってか、ちょっと同情。悪い人じゃなさそうなのに。(いやいや詐欺師で前科持ちらしいから十分悪い人なんだけど)

まぁ、クローカーに至っては殺される描写すら描かれず、陰であっさりロートにひき殺されてるし。

まぁ、これで冒頭から垣間見えたロートの凶悪で残虐な姿がはっきりとしたって事でしょうか。
ラスト20分で繰り広げられる暗闇での攻防含むスージーとロートの戦い。
これはホントおふたりともお見事っ!
ロート優勢で始まり、暗闇の中でスージーが見事に立場を逆転させたと思えば、またロートが優位にたつ。
凄い緊張感。ホント薄暗い中で、そんな中こんなにも演技出来てて凄~い。さすがプロですね。ガソリンを部屋中にばらまくところとか、あと、ヘロインを吸ってイっちゃってる姿とかホントヤバい。
ちなみに私が楽しみにしていた加藤さんですが(笑)、冒頭の金髪姿は凄い似合ってないの~~。それとも安っぽい鬘のせいかしら。

しかし、凰稀さんはこの舞台で膝が痣だらけになってそう。(心配)
凰稀さんはもちろん本当は眼が見えるんだけど、舞台の上では本当に盲目に見えるんですよね~。だから、スージーが気配で彼らの動きを察した場面とか、観てて素直にびっくりしちゃう。もう、完全に目が見えない人なの。舞台の上では。
凰稀さんが出演されたミュージカル作品をいくつか見たことがあるのですが、彼女はやはり演技の人なのですね。お歌は正直あんまり・・・ですが、演技はとても良い。
ただ、夫サムとの場面は、なんか凰稀さんの見た目に反して、幼い年齢設定の演技に見えてちょっと違和感。20代前半のような。。。(そういえば、主人公は若妻って設定だったわ)

盲目のスージーのお手伝いをしてくれる少女グローリアは、最初スージーととても仲が悪いんだけど、激しく喧嘩してからぐっと仲良くなるの。そこから、スージーが自分自身の身の回りに起こる不可解なことに気づきグローリアに協力を仰ぎ、彼女のおかげでスージーは疑惑を確信へ変え警察でもない正体不明の男たちと戦う準備をするんだけど、このスージーとグローリアの場面は他の場面と違って緊張しなくていい分逆に印象深い。グローリア役の黒澤さんは小柄で子役の様でそれがまた小憎らしくも愛らしい。


しかし、3人が血眼になって探している人形は、やっぱりお前かよーっ!って感じでグローリアが持ってんたんだけど、現物(人形)が出てきた時正直びっくりした。
いや、だってめっちゃ大きいんだもん。いくらヘロインを隠してあるからっていって、あんな女の子の形をした人形とは思わなかったよ。。。
まぁ、でも、それが人の形をした人形だった分、それをナイフで引き裂きながら狂気に笑うロートが不気味さが際立つんだろうけど。


あっという間の約2時間5分でした。(休憩なし)

たまにはストプレもいいですね。
まぁ、個人的にはやっぱりミュージカルが一番好きだけど。



舞台「暗くなるまで待って」
作:フレデリック・ノット訳:平田綾子演出:深作健太
 にほんブログ村 演劇・ダンスブログ ミュージカルへ
にほんブログ村