宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ジャージー・ボーイズ チームWHITE

2016年にシアタークリエで公演されて話題となった「ジャージー・ボーイズ 」の再演にして全ツ(全国ツアー公演)を見てきました。前回はチームREDとチームWHITEに分かれての公演でしたが、今回はチームWHITEとチームBLUEとして、一部キャストも新たにしての再演。

私は、チームWHITEとチームBLUE 両公演とも観てきたのですが、とりあえず初演からのメンバーWHITE(中河内、海宝、福井)の感想を書きたいと思います。

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60年代に活躍したアメリカングループの栄光と挫折を描いた作品ってことでしたが、勉強不足の私はてっきり「ジャージー・ボーイズ」がそのグループの名前だと思ってました。苦笑
ザ・フォー・シーズンズ(The Four Seasons)というのが、本作のモデルとなったグループの名前でした。
(ホテルの名前かよっと思ったら、ボーリング場の名前が由来でしたね)

4人からなるグループで四季(Four Seasons)ということで、4構成に分かれていて、キャストがそれぞれ自分のターン(視点)から物事を語る方式でつづられていること以外はとくにめずらしい事はない作品だと思いました。
いや、意外とそれが利いてるかも。
ストーリーテラーが代われば、見え方も変わる。みたいな。

--春--(トミー・デヴィート:中河内雅貴
まずは、グループ結成のきっかけを作ったトミーがストーリーテラーとなり、自分と天使の歌声を持つフランキーとの出会いを語っていく。トミーの視点で語られるから(また、出会って間もないフランキーだから)フランキーがものすごい子どもなの。ホントなんにも知らない少年って感じ。
いやしかし、トミーはホントどうしようもない。よくわかんないけど、終始偉そうぶってて個人的には好きになれないタイプ。グループが衝突するきっかけになった借金もほぼトミーのせいだし。
でも、兄貴分が意外とろくでもなかったりするのって、意外と王道だったりしますよね。
そして、トミーが最後までそこまで悪いヤツとして見えなかったのは演出のせいか、それとも中河内さんの力か。

-夏(ボブ・ゴーディオ:海宝直人)-
ザ・フォー・シーズンズに欠かせない最後のピース、ボブ。
ボブがグループに加入しても、グループはなかなか上手くはいかない。そう簡単にはいかないわけです。
でも、1つただの曲じゃない、ヒット曲が、できるとグループの周りは上手く回り始める。
外側だけはね。
トミーとはまるで正反対の優等生タイプ。流されることなく自分を持ってる。
そんな姿を海宝くんが爽やかに演じていて観ていて気持ちがいい。彼が大人になる場面も全然いやらしくなくてむしろ爽やかでかっこよかったりして。これは演出がいいね。

-秋(ニック・マッシ:福井晶一)-
1幕で寡黙だったニックの出番です。笑
福井さんのニック、イイ感じでしたね~。ニックのある意味キメ台詞?の「オレもバンドを作るかなぁ」には終始笑いが起きてました。
ニックの視点からみると意外と借金問題意外にもグループには既に問題があったことがわかる。
しかし、常になにか問題が起きてもなりゆきに任せていたニックが、10年間溜まりにためていた鬱憤を吐き出す場面は凄かった。もう、聞いてて、ニックが不憫で。でも、ニックの言葉からは、トミーを責めていると言うよりもむしろトミーを救うことが出来なかった自分自身を責めている様に感じました。

-冬(フランキー・ヴァリ中川晃教)-
おそらく、この人(アッキー)がいなかったら、この作品は出来なかったでしょうね。どこから声を出してんの?ってぐらいのハイトーンボイス。
トミーとの出会いではまだあどけない少年だったリランキーも、この場面ではすっかりおじさん(失礼)で、グループの分裂とプライベートでは家庭不和を体験していて。
フォー・シーズンズというグループは知らない私でも知っている有名なナンバーがこういった問題の裏で作られて痛んだなぁと。
というか、シリアスな場面やしゃれにならない場面でも重い気持ちにならないのは、グループの曲のおかげなのかな。
フォー・シーズンズサウンドは結構軽やかなのです)


トミーの借金、ニックの脱退をきっかけに、グループが分裂してしまうという、悲しい結末になりそうなところですが、フィナーレは、グループがロックの殿堂入りすることで何十年か振りに再結成され、まるであの頃のようなパフォーマンスを見せてくれる。という形で終わっているので、公演を観終わった後も沈んだ気持ちにならないで追われるのが上手く出来ているなぁ~と思いました。
(しかし、トミーの借金を肩代わりするフランキーの事はまだ理解できない。古い世代だとそういうものなの?それともこれが男の友情??よくわからん)

ホント、カーテンコール部分になると、観客と一緒に歌って踊る感じですからね。
(どうでもいいけど「ジャージー・ボーイズイン コンサート」で完売したはずのペンライトを持ってる観客の多いことっ!)


本作は限られた人数での公演となっているので、メインキャスト意外が色々な役を演じているのですが、特に阿部裕さんの変貌振りは凄いなぁ~と感心しきりでした。
マフィアのボス(ジップ・デカルロ)を演じている時も、大物ならではというかどちらかと言えば穏やかな雰囲気をかもし出しているとはいえ、その後のラジオDJのテンションとのギャップとかね(笑)

あと、グループのプロデューサー(ボブ・クルー)役の太田基裕にはちょっとびっくりした。割と綺麗な顔立ちしてらっしゃるのに、凄い変なのです(←役柄がね)
後で、経歴見たら2.5次元ミュージカルに多く出演されている方みたいで、なるほど。と納得。


しかし、初演時の評判とかを見てたから、今回の再演は絶対観に行こう!って思ってた割りに、そこまで自分にハマらなかったのは、期待値が高すぎたせいでしょうか。
それとも、単にグループを知らない世代だからでしょうかね。


 

 ミュージカル「ジャージー・ボーイズ
【脚本】マーシャル・ブリックマン&リック・エリス
【音楽】ボブ・ゴーディオ【詞】ボブ・クルー 
【翻訳】 小田島恒志【訳詞】 高橋亜子
【演出】 藤田俊太郎

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