宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル『タイタニック』ACT.1

ミュージカル『タイタニック』を観てきました。
映画で有名なタイタニックではない、実際にタイタニック号に乗っていた乗客・乗員たちの物語です。トム・サザーランド版は
2015年以来2度目となりますが、私は観るのがこれが初めて。
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タイタニック号に乗船していた人々のいわゆる群像劇で、キャストもメインキャストの内3人(アンドリュース、イスメイ、スミス)以外は全キャストが早替えしながら2役以上を演じているというもの。
(あれだけの短時間にいろいろな役を演じられているキャストは凄い)

キャストが少ない作品ではあるけれど、キャスト全員のパフォーマンスと楽曲と演出の素晴らしさで観た後の充実感は凄かった。
と、いうか、振り返って、もう一度観たくなる。そんな作品。


もちろん、題材がタイタニックだし、結末はみんな知ってるわけだけど、悲しいだけの物語じゃないんだよね。


プロローグからタイタニックが出航する「征け、タイタニックGodspeed Titanic)」までのくだりの高揚感とか。いよいよ航海が始まるんだって胸が高鳴るのです。
でも、それと同時にこの後に起こる悲劇もわかっているからどこか切なくて。

1幕はこの豪華客船タイタニック号に乗った乗客たちが、ニューヨークに向かう夢や希望を描いているのですが、そこだけ見ていると本当にこれからあの悲劇が起きるのかと疑わせるくらいの軽快な音楽。
でも、その楽曲の間に事故の原因となってしまったいくつか要因も散りばめられているのです。だから、安易に事故の事を忘れて楽しげな音楽に酔うこともできず、観ていることらとしては緊張したまま。

特に氷山に関する報告や、記録にこだわる船主のプレッシャーでムダにスピードを上げる度に、いつ起こるのか、いつなのかと、酷くドキドキするのです。
こういう少しのムリの積み重ねが大きな事故を招いてしまったのでしょうか。


1幕で好きなシーンは3等客3人のケイトがそれぞれ自己紹介する場面でのケイト・マクゴーワン(小南満佑子)の(その後の)行動力。そしてそんなケイトを受け入れるジム(渡辺大輔)の包容力。素敵だ。
そして、バレット(藤岡正明)と通信士のブライド(上口耕平)の場面です。2人のやりとりも(階級によって乗客たちのなにもかもが違ってくる船の中でも)同じCrew仲間として人間味のあるやりとりがあり、ほっこりさせられるのです。楽曲の「プロポーズ~夜空を飛ぶ/The Proposal~The Night Was Alive」も素敵なのです。

もちろん、その後のダンスの場面(最新のラグ/Doing The Latest Rag)も楽しくて好きなんですけどね。

でも、その楽しい楽曲はその後の「月無夜/No Moon」から続く美しくも悲しい旋律への布石だったのかもしれません。


 暗闇から始まる「第1幕の終わり/Finale Act One」では、これがどういうことなのか、そしてどういう結果になるかわかっているのに、祈らずには要られないのです。

 

ACT.2の感想へ続く

 

ミュージカル『タイタニック
[劇作・脚本]ピーター・ストーン 
[作詞・作曲]モーリー・イェストン
[演出]トム・サザーランド

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