宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

THE LAST PARTY ~S.Fitzgerald's last day~(フィッツジェラルド最後の一日)

れいこちゃん(月城 かなと) の東上初主演作「THE LAST PARTY」(略してラスパ)を観てきました。梅田劇術劇場DC(ドラマシティ)です。
ネタバレ及び個人的な感想になります。

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アメリカの作家スコット・フィッツジェラルドの成功と破滅(死)までを描いた作品です。私はアメリカ文学はあまり興味がなかったので、有名なグレート・ギャツビーすら読んだことはありませんでした。なので当然ギャツビーも映画やミュージカルでしか作品の内容は知らないのですが、フィッツジェラルドの生涯とギャツビーとの生きざまがリンクする場面が多く見られました。
金持ちの女の子(デイジー)は、まさにフィッツジェラルドにとってのゼルダだったんですね。「貧乏な男とは結婚しない」「綺麗なお馬鹿さん」そして、綺麗なシャツは綺麗なドレス。

 

さて、ミュージカルですが、ミュージカルではあるのですが、どちらかというとストプレ(ストレートプレイ)寄りの作品でした。一応、歌もあるんですけどね。
私はストプレよりもミュージカルが好きなので、ちょっと残念でした。
ミュージカルの魅力ってやっぱりその楽曲だと思うのですよ、曲が素晴らしいだけで作品が佳作ぐらいだったとしても名作になりえるしリピートしたくなりますもんね。

 

れいこちゃん(月城 かなと)演じるフィッツジェラルドと、その妻ゼルダを演じるくらげちゃん(海乃 美月)2人の関係が1幕はホントにグレート・ギャツビーを思い起こすのですが、1幕後半から2幕はツラくてねぇ。。。
愛し合っているのに、傷つけあうことしかできない。
特に、くらげちゃんの演技は素晴らしくて、その分ゼルダが壊れていくのが悲しくてツラくて。
リヴィエラでのゼルダのナンバーは本当に印象的でした。(悲しすぎる)

文学界に彗星の如く現れたフィッツジェラルドの成功は、同じく彗星のように過ぎて行ってしまったけれど、彼の友人でもあり生涯のライバルでもあるヘミングウェイはまさに新星だった。
それは、まるでどこか宝塚における れいこちゃんとありちゃんとも重なる部分があるのかもしれないと思いました。いや、れいこちゃんは月組に組替えになる前から十分注目されてたし人気もあったと思いますけどね。

プロローグでの登場から1幕後半でようやく出てくるありちゃん(暁 千星)演じるヘミングウェイが登場した際のあの存在感。やはり下級生時代から抜擢されている事がそうさせるのか、ホント堂々としていて(とてもまだ新公学年とは思えませんね)
最近ますますシュとしてきてカッコ良くなってきてて。弟分的なイメージが強く付きまとっていましたが、ここにきて随分男らしくなってきたものです。この先がますます楽しみだわ。

別箱とはいえ、おおよそ宝塚の舞台とは思えない簡素なセットでしたが、その分舞台の真ん中に立つ、れいこちゃんとくらげちゃんが美しくてねぇ(さすが宝塚)

あと、ゼルダの浮気相手の仏海軍航空士を演じられた英かおと(はなぶさ かおと)くんがカッコ良かったですね~。まぁ、制服効果もあったかもしれませんが。苦笑

そして、次回の大劇場公演「エリザベート」でありちゃんとともにルドフル役に抜擢されている風間君(風間柚乃)の演技というかお役もフィッツジェラルド評価が見直された現代との懸け橋となっていてまた(知らず知らずのうちに)フィッツジェラルドに希望を与える場面となっていて印象的でした。


2時間ほぼ舞台に出ずっぱりだったれいこちゃんと、専科の悠真 倫さんを含めてもたった17人という少人数でしたが、組子にとっても学ぶことも多く記憶に残る作品になっただろうと思いました。

 

 

 

でも、やっぱり次はミュージカルが見たいなぁ(あっ、次はエリザベートか ←今の月組に合うの???)

 

Musical『THE LAST PARTY ~S.Fitzgerald's last day~』
フィッツジェラルド最後の一日
作・演出/植田 景子

 

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