宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル グレート・ギャツビー(感想)

原作小説は読んだことがなくて、また映画自体そんなに好みの作品ではなかったのです、今回の公演では結構楽しめました。

正直、初観劇の際は、難曲のせいもあって直ぐに入り込めなかったのですが、2回目以降は自分の中でも消化できてきて楽しめました。

 印象的なナンバーがたくさんあるなぁ〜。

 

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まず、なにより芳雄さん(井上芳雄)の歌声は相変わらず素晴らしいですし、田代さん(田代万里生)の歌声も芳雄さんに負けず劣らず素晴らしくて。田代さんは、その人柄のよさそうな外見からしても、もうニックにぴったりでしたしね。

デイジーを一途に、ただひたすら純粋に愛し続けるギャツビーを、ホント芳雄さん切なくも爽やかに演じられてました。

映画版を観た時は、ギャツビーの一途さが、むしろストーカー的に感じられたのですが(特に後半)、芳雄ギャツビーは本当一途で恋にピュアで一途な男性に見えました。

ニックは割と映画と同じような印象的かな。どちらも作中1番まともで良い人。

 

ねねちゃん(夢咲ねね)も、ギャツビーが全てを賭けて/そして全てを失わせてしまうくらい、美しかったです。髪形もお衣装も可愛らしくて綺麗で。お歌に関しても、難曲をがんばって歌ってらしたと思います。

 

アカネさん(AKANE LIV)は、スタイリッシュでねねちゃんとはまた別の意味でお綺麗でした。

ねねちゃんも、アカネさんもとにかくお衣装が綺麗でステキなのです。(そして2人ともお似合い)

さすが宝塚出身だけあってスタイルも抜群だなぁ~と思いました。

 

同じく宝塚出身の蒼乃さん(蒼乃夕妃)は、上流階級のデイジーとは対照的な肉感的な魅力を映画バージョン同様に出してらっしゃったと思います。ただ、個人的にはもっとお歌が上手なイメージだったのですが、ちょっと残念でした。。。。その分、妹役の音花ゆりさんがお上手でした。(苦笑

 

畠中さん演じるウィルソンが、劇中でもありましたがどうやってマートルと結婚できたのか分からないくらい冴えない工場長でしたが、けっして唄が上手なわけでもないと思うのですが、やはり最後のシーンとか印象的でした。

 

そして、広瀬さんは、やっぱりトムを演じてるだけあって一番嫌なヤツ(という印象)なんですよね~。

傲慢で横暴で、一番嫌なヤツなのに、最終的に一番得してる。

でも、そんなトムを演じてる広瀬さんご本人はカッコイイのですけどね。苦笑

 

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原作小説を読んでいないので、主にはわからないのですが、このグレート・ギャツビーは映画とは少しが違うのかな。と思いました。

もちろん、ご覧になる方によって受ける印象とか違うんでしょうし、

また、映画とは違う場面もありますし、それによって印象多少変わってきますもんね。 

どちらも、結果的にはギャツビーはデイジーを手に入れることができないまま、死んでしまうのですが、今作の方が救いがあるというか。

映画だと、トムとギャツビーが口論するプラザホテルの場面で、デイジーはの気持ちはギャツビーからなくなっていると思うんですよ。しかも、自分が犯した事故をギャツビーが被ってくれたのに、あっさりトムと和解して、ギャツビーのお葬式にすら姿をみせない。デイジーの為に全てを賭けてきたギャツビーが、ただの馬鹿で愚かな男として終わっていく。(かろうじてニックからの電話で、ギャツビーは幸せな誤解ができているんでしょうが)

でも、本作だとデイジーの気持ちはギャツビーから離れてはいないように見えるのです。ギャツビーは事故を起こしたデイジーを自ら背負って、ただひたすらにデイジーの幸せを祈っていくように見えるのです。

ウィルソンに殺されていなければ、おそらくあのまま対岸からデイジーを見守っていたんだろうと。

そしてデイジーも、ギャツビーに告げた最後の言葉が真実だったのではないかと。だから、映画とは違い、ほんの数秒だとしてもギャツビーの葬儀に現れたのではないでしょうか。

ただ、やはりデイジーは女性なので、ジョーダンか言うように女はきっと現実的でロマンチストではないのでしょう。デイジーに子どももいるし、このままトムと生きていくことを決めたのでしょう。

 

裏の世界でのし上がった男の繁栄と滅亡ということでは、もしかしたら、映画の方がギャツビーの惨めさが凄くでているのでいいのかもしれませんが、主は本作の方が断然良かったです。だって、結末は同じでも後に残る感情が違うんだもの。

 

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そういえば、デイジーやジョーダンのお衣装も素敵ですが、あのセットもスタイリッシュで素敵だと思います。あの丸いライトも、後で思ったのですが、カッコいいだけでなく、神の眼だったのかなと。

 

あと、終演後会場内で聞こえてきたのですが、外部の作品なら死んだらそれで終わりなのに、(ギャツビーが)出てくるあたりが宝塚っぽいと言っていました。苦笑

確かにっ!と思ったのですが、出てくるのはギャツビー1人だし、宝塚だとギャツビー&デイジー両方とも出てくるのでは?と思いました。(いや、主宝塚初心者だからよく知らんですけどイメージでは)

私は、あの最後少年時代のギャツビーが出てくる最後の場面好きですけどね。

 

 

ミュージカル グレート・ギャツビー
原作:F・スコット・フィッツジェラルド
音楽:リチャード・オベラッカー
脚本/演出:小池修一郎

 

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