宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

月組別箱公演『赤と黒』

2年ぶりに名古屋に帰ってきた宝塚を観に御園座へ行ってきました。
月組別箱公演「赤と黒」です。

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原作はフランスの作家スタンダールの同名小説が原作で宝塚でも何度も再演された有名な作品のようです。相変わらず宝塚初心者の私は過去の作品は観たことがなく苦笑
原作小説は子供の頃に読んだことがあるのですが、『主人公のジュリアンがその美貌を使ってのし上がっていきやがて破滅していった』って感じのざっくりとしたあらすじしか覚えてなかったですね。苦笑
というか、今回改めてお芝居でそのストーリーを知って、いったいなんて本を読んだんだっ!と子供の頃の自分を思い返してました。(いや小学校の図書館に原作小説が置いてあったんですよね苦笑)


さて、いつもながらのネタバレ含む個人的感想です。

最近、がっつりしたミュージカルを観てきたばかりなので、本作はミュージカルというよりもストプレに近い作品だったので、ちょっぴりがっかり。
まぁ、宝塚らしいキラキラした場面とかあるのは、観ていて楽しいですけどね~
(特に2幕のパリの社交界かな)

 原作が長編小説で、それをギュギュっとまとめたお話だから仕方がないのでしょうけど、主人公のジュリアンが酷いやつすぎる。そして全然魅力を感じない。
1幕ではレナール夫人とあんなにも愛し合っていたのに、2幕ではあっさり別の女性(マチルド)と恋に落ちるし。
友人のフーケがあんなにも親身になってビジネスに誘ってくれてるのに、その野心からその誘いを断り、貴族社会でのし上がり、そして結局破滅する。
その破滅も、自業自得というか。。。。


ジュリアンを演じていたたまきち(珠城りょう)は、こういう悪い男っていうかそういう役が似合わないんじゃないかなぁ。ジュリアン出世欲の塊のような野心家なんだろうけど、たまきちにはその説得力がないというか。。。
たまきちには誠実なお役が似合うと思う。「カンパニー」の青柳さんとか。

1幕でのジュリアンの恋のお相手ルイーズを演じているのが、トップ娘役のさくらちゃん(美園さくら)
夫であるレナール(輝月ゆうま)との間に3人も子供がいるのに、いくらこの時代の結婚が政略結婚が多かったりして愛し合っていない夫婦の可能性があるとしても、ジュリアンに誘惑されて、あっさり不倫に陥ってしまうとか。。(ありえん
まだせめて3人の子供が登場しなければ良かったけれど、がっつり登場しちゃうだけに

宝塚って、(特に古い作品の再演とか)結構不倫物が良く出てくる気がするけど、今回の場合「禁断の恋」という葛藤とか、ルイーズにもジュリアンを拒むようなそぶりがあまりなかっただけに、観ていて複雑な気持ちに。。。。
(まだ「仮面のロマネスク」とかは、不義の恋に対する葛藤とかあった気がするよ)

しかし、さくらちゃん、トップ娘役なのにこんなお役で可哀想。
1幕では(不倫だけど)恋の相手ではあるけれど、2幕ではほとんど出番ないし。
しかも、出てきたと思ったら、あんなんだし。。。

2幕のヒロイン、というかジュリアンが真実の愛に目覚める相手、という点ではマチルドこそ本当のヒロインでは?と思ってしまう。
そんなマチルドを演じているのはじゅりちゃん(天紫珠李
じゅりちゃんは元は男役さんだったとは思えないほど、可憐にマチルダを演じられてて。
そういう脚本というか演出なのはわかっているのですが、マチルダがついにジュリアンと一夜を共にした後のマチルダの独白が(苦笑)
チルダって、いろいろイっちゃってるよね。笑
しかし、じゅりちゃんは娘役に転向してすぐに新人公演ヒロインと東上公演されていて、そして今作でもダブルヒロインといった感じですし、めっちゃ推されてますね。

さくらちゃんも不憫に思ったけど、主人公以外あんまりお役がないから仕方がないともいえるんだけど、1幕と2幕で違うお役を演じられているのは、月組2番手スターのれいこちゃん(月城かなと)
2幕で軍服姿で出てくるときは、その美しさで本当に輝いてましたよ。
とはいえ、若手の小顔スタイル良しの下級生たちと並ぶと、スタイルについては若干せつなくも感じましたが。苦笑
しかし、フーケ(1幕でのお役)は、いくら親友とはいえ、どんなけジュリアン思いなの???って思うよ。
2幕ではマチルダに恋するジュリアンの恋の指南役となるコラゾフ公爵は、見た目はかっこいいのに、なんだかへんてこなお歌を歌いだすし。
カッコイイれいこちゃんを見ることができるのはいつになることやら。



実は、私チケットとってあったくせに出演される生徒さんを把握してなくて、舞台を観ていてからん(千海華蘭)が出ていることを、舞台が始まってから知って、ちょっとテンションが上がっちゃった。苦笑
私、からん結構好きなんですよねー
しかし、ホント相変わらず可愛らしいお顔されてるわ。なのに(今回悪役だからか)時々、特に2幕で冷たい表情するのとかドキドキするわ~

そしてそして、今回個人的にうれしかったのは、前回の大劇場公演「I AM FROM AUSTRIA」で気になった可愛らしい娘役さんが出演されていたことです!
そして、今回はお名前もちゃんと確認できました!
ジュリアンがマチルドを堕とすために当て馬として利用するフェルバック元帥夫人を演じられている結愛かれんさんです。
後で調べたら、既に新公ヒロインもされてたんですねっ!
是非もっと活躍して欲しいです。でも、どうやらじゅりちゃんと同期らしく、そのじゅりちゃんが推されているのを見ると、かれんちゃんは上がっていけないのでしょうか?
(もったいないよ~~)

 

ミュージカル・ロマン 『赤と黒
-原作 スタンダール
脚本/柴田 侑宏
演出/中村 暁

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