宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル「ファントム」

梅芸主催の「ファントム」を観に行ってきました。
公演が決まった際は、昨年末から今年の初めにかけて宝塚 雪組で公演されていた「ファントム」が大変人気だったのでそれに乗っかったようにしか思えなかったのですが、まぁ、それでもこれまでの梅芸制作とは違い今回はミュージカル俳優をキャスティングしていますからね。それだけでも随分マシなのかもしれませんが。苦笑 

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個人的に、宝塚雪組版の「ファントム」がとてもよかったので、今回の梅芸制作版は見るつもりがなかったのです。苦笑
しかも、宝塚で公演してから1年と経たないうちでの公演(観劇)となると、とうしても比べてしまうだろうし。

で、迷っていた際に今回演出、主演(ダブルキャストですが)を務められる城田優さんがNHKで「My Mother Bore Me (母は僕を産んだ)」を歌われているのを聴いて、これはエリック(ファントムの役名)がかなりダークな感じなのかも?と思いチケット購入を決意してしまいました。苦笑 (プロダクションが違うからか、歌詞も(セリフも)梅芸制作版と宝塚版では異なるのです)

今回も、主要キャストについてはミュージカルにありがちなダブルキャストで、まぁ、普通に選べば、クリスティーヌは木下晴香ちゃんで、エリックは城田優という選択になると思うのですが、加藤和樹の闇落ちする姿が観たいかもっ!ってことで私が選択したのはこちらのキャストになりました。

  クリスティーヌ:木下晴香
  エリック:加藤和樹
  シャンドン伯爵:廣瀬友祐


比較しちゃだめだよなぁ~と思いながらできるだけ観ていたのですが、やっぱりどうしても宝塚版が頭をちらついてしまって。苦笑
もちろん、慣れ親しんでる度合いがあるから仕方がないのですが、私はやっぱり宝塚版のほうが好きだわ。 1幕のオペラ座の場面とか華やかさがまず全然違うし、あのワクワクする感じがどうしてもこちらではさほど感じられなかったんだよね~。苦笑

 エリックやクリスティーヌの役柄というかキャラクター(人間性?)が多少違うのはまぁそれぞれのプロダクションや演出家によって左右されるものなのでしょうけど、それに関しては宝塚版でも梅芸版でもどちらも違う良さがあるのでそこはまた違った楽しさが感じられたかな。
ただ、個人的には闇落ちする加藤さんが観たいという邪な理由で、キャストを選んだだけに、エリックが闇落ちすることもなく、どちらかと言えば発達障害というか自閉症気味な感じがしました。(症状に詳しくないので検討違いだったらすみません。汗)
そういう解釈だったのかもしれないけど、そいういうつもりで観劇に臨んでなかったのでちょっと戸惑ってしまった。汗
とりあえず、闇落ちする加藤和樹を見たいとか邪な選択ではなく、やはり素直に城田優を選んでおけばよかった。。。
加藤さんは比較的好きな俳優なのですが、やはり音楽の天才、クリスティーヌの歌の先生となるとそこまでの説得力が感じられず。。。苦笑
オペラ座の地下でひっそりと暮らしていただけに、コミュ力が乏しい感じはとても理解できましたが。
加藤エリックの不器用さとかひしひしと感じられたのですが、それでも、違うのよ~~ (ごめんなさい、闇落ちする加藤が観れると思いこんでいた私が悪いのはわかってるんですけどね。でも、このエリックは私の好きなエリックじゃない)

木下クリスティーヌは、選んで正解!って感じでぴったりでした。
お歌がまぁ上手なのは知ってたんですけど、びっくりしたのが2幕でベラドーヴァを演じていた場面ですね。 晴香ちゃんがあんなに踊れる女優さんだとは知らなかったのでびっくりでしたー(素敵だった)
クリスティーヌ役の晴香ちゃんがベラドーヴァを演じたおかげで、エリックとキャリエールがクリスティーヌにベラドーヴァの面影を重ねる設定にしっくりきました。(まぁ、まんまそのままといえばそうなのですが)

ただ、このクリスティーヌは、エリックが仮面を外した時の反応が、人間が怖いものや怖い状況に陥ったときに反射的に悲鳴を上げたり、逃げ出してしまうソレとは違うように感じられたので、余計に(エリックにとって)残酷に思えました。

シャントン伯爵は、廣瀬友祐さんと木村達成さんのダブルキャスト。まぁ、伯爵だからこれは断然廣瀬さんでしょ。と思って選択したわけですが、もちろん、廣瀬さんは超かっこいい(顔面が)のですが、なんて言うんでしょう、伯爵感がない役作りでした。。。。
お金持ちではあるかもしれないけど、なんていうか普通でした。(貴族っぽくなかったの) 役作りが悪いの演出の問題なのかわかりませんが。(1798とかではちゃんと伯爵だったのになぁ~)



今回の梅芸制作城田優演出版のファントムもよかったですが、やっぱり舞台の豪華さや華やかさ(特にオペラ座、ビストロの場面)や、演者も含めた演出など考えると宝塚雪組版の方が好きだなぁ~と思ってしまいました。苦笑

もちろん、梅芸制作で宝塚と同じような豪華なセットに衣装を求めるのは違うのは理解しているのですが、へんてこなお衣装とかもあったし、違和感感じる演出もあったんですよね。 まぁ、もちろん良い面もありますが。





あと、もう1つだけ、今回の演出で気になったのが客席降り部分ですよ。
本編が始まる前にアンサンブルが客席やロビーを歩いたりして雰囲気を作るのは良いと思うのです。
ただ、本編中にキャストが客席にいて、ステージに誰もいない場面があったのですが、それはホントちょっと。。。
なんていうか1階席しかないような小劇場ならともかく2階席や3階席があるような大ホールでこんな演出されるとモヤるしかない。
私もこれまでにいくつかミュージカルを見てきて、客席降りがある演出を見てきてますが、そういう演出は1階席にとっては臨場感があるのかもしれませんが、2階席以上の置いてけぼり感は半端ないし。 ましてや、今回はステージに誰もいないという酷い状態。。。これはホント止めてほしい。
過去に1度でも2階席に座ってそういう演出に出くわした経験があると、たとえ自分が1階席で観ていても気になっちゃうんだよね。(特に2階席でもS席だったして、1階席と値段に違いはなかったりするので)


ミュージカル「ファントム」
脚本:アーサー・コピット
作詞・作曲:モーリー・イェストン
原作:ガストン・ルルー
演出:城田 優

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