宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

ミュージカル「レベッカ」

さて、今回はミュージカル「レベッカ」を観てきました。
行こうかなぁ~どうしようかなぁ~と迷っていた公演なのですが、運よく地方公演もあったので、せっかくなのでと観劇を決意。
ミヒャエル・クンツェ、シルヴェスター・リーヴァイ制作ってのも観劇のポイントでした。

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今回は主役の「レベッカ」がトリプルキャストで、ダンヴァース夫人がダブルキャスト。地方公演のつらいところは、日程の関係で必ずしも(自分にとってベストキャストでない場合があるって事でしょうか)まぁ、本作は良かったけど。

私の観劇日のキャストはこちら
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 マキシム・ド・ウィンター:山口祐一郎
 わたし:平野綾
 ダンヴァース夫人:保坂知寿
 フランク・クロウリー石川禅
 ジャック・ファヴェル:吉野圭吾
 ベン:tekkan
 ジュリアン大佐:今拓哉
 ジャイルズ:KENTARO
 ベアトリス:出雲綾
 ヴァン・ホッパー夫人:森公美子
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原作小説はヒッチコックによって映画化されたこともあるそうなのですが、まぁもちろん私は観たことがなくて(苦笑)観劇前にあらすじをよんで、ドロドロとしたミュージカルを想像して観に行ったのですが、はたして

広大な屋敷や土地、“マンダレイ”を所有する上流紳士マキシムと、アメリカ人富豪の世話係の仕事をする「わたし」は、モンテカルロのホテルで出会う。先妻レベッカの事故死の影を引きずるマキシムは、忘れていた心の安らぎを与えてくれた「わたし」を見初め、二人は結婚する。 ハネムーンも終わりマンダレイに着いた二人を出迎える召使いたちの中に、レベッカに幼少時から仕え、彼女亡き今も家政婦頭として屋敷を取り仕切るダンヴァース夫人がいた。屋敷の中は亡きレベッカの面影が色濃く残っているのだった・・・。

 
ダンヴァース夫人によるドロドロとしたストーリーを期待していたので前半の約20分は正直、少々退屈でした。(苦笑)
いや、必要な場面ではあるんですけどね、もう本題が待ちきれなくて(苦笑)

観劇し終えての感想といえば、いや~~~、音楽の力ってすごいってことです!
マキシムの後妻に入った「わたし」をじっとりと追い詰めていくダンヴァース夫人なんて、完全に悪い人じゃないですか?
なのに、ダンヴァース夫人がレベッカを想って歌う「何者にも負けない」「レベッカ」の旋律が切なくてパワフルで、単純に彼女を怖いとか憎いとかって思えないんですよね~。
2幕で「わたし」がだんだん強くなってきて、ダンヴァース夫人に歯向かう場面とか、よくやったっ!気持ちよりも、どこかダンヴァース夫人に同情的な感情を抱いちゃう私がいたりして。
レベッカの陰に支配された屋敷っていうよりは、ダンヴァース夫人のレベッカに対する情念が漂う屋敷って感じ。
レベッカが幼いころから彼女の世話をしていたとはいえ、ダンヴァース夫人のレベッカに対する想いは尋常じゃないですよね。あれは母性愛を超えていると思うんですけど。。。(あの時代の貴族と召使の関係とか私にはよくわからないから)
保坂さんのビブラートを利かせた歌い方はちょっと癖があるなぁ~と思ったのですが、お話がどんどん進むにつれて、それが逆に効果的になってた気がします。

近年ミュージカル界で活躍されている平野綾さんですが、私はなかなか縁がなくて彼女を舞台で見ることがなかったのですが、なんとなくいままでの作品の印象で強そうな女性像が得意な女優さんというイメージだったのですが、1幕のおどおどしたレベッカも流石というか上手に演じられてました。凄い猫背だったのが気になったのですが、こちらも「わたし」を演じるうえでのことだったみたいですし。
しかし、事故とはいえ、前妻レベッカを殺してしまったマキシムを変わらず愛せるのは、ダンヴァース夫人から与えられた試練を乗り越えてきたからでしょうか。

いやいや、マキシムダメじゃん。いくらレベッカが放蕩を繰り返していたとはいえ、殺しちゃダメでしょ。
まぁ、事故だけど。
自分(レベッカ)を殺させようとしたレベッカが抱えていた病気が分かり、マキシムにかけられていた嫌疑もはれるわけですけど(でも、本当はまったくの無実ではないですよね)
あーしかし、私やっぱり祐様(の歌声)ニガテかも。やっぱりメインキャストとして曲が多いと(個人的には)ツライ。苦笑

怖い怖いダンヴァース夫人に、嫌らしいファヴェルたちがドロドロした舞台を演出していますが、その中で、マキシムの姉ベアトリスの曲に(特に2幕)どれだけ救われるか。こんな親戚なら突然できても大丈夫な気がするわ~
あと、意外とベンの旋律も印象的でした。そんなに出番ないのにね。


ややスローな感じで始まった1幕前半と比べて、2幕のスピード感があること!

そして、ドロドロしたミュージカルを期待(苦笑)して観に行った私ですが、意外と切ない気持ちになっちゃいました。


 

ミュージカル「レベッカ
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
原作:ダフネ・デュ・モーリア
演出:山田和也
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