約4年ぶりの再演で新演出となったミュージカル「モーツァルト!」を観に行ってきました。
好きな楽曲は多いのですがあんまり好きな作品のタイプではなかった気がしたので結構迷ったんですが行っちゃいましたね。苦笑
一部キャストはダブル(トリプル)だったのですが、まぁ友人の好きなキャストと日程との兼ね合いでこちらになりました。
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ヴォルフガング:古川雄大
レオポルト:市村正親
ナンネール:和音美桜
コンスタンツェ:木下晴香
コロレド大司教:山口祐一郎
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき
セシリア:阿知波悟美
アルコ伯爵:武岡淳一
シカネーダー:遠山裕介
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以前一度映像では観ていたのでお話は知っていたのですが、改めて生で舞台を観てみて。
なんていうか、ホントこの作品は難しい。いや、ストーリーが難しいわけではないのですが、なんていうかどこに(誰に)感情移入というか、誰の目線(気持ち)で観たらよいのか分からない。。。。
奇跡の子と呼ばれたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが、自身の過去にとらわれもがく姿。
モーツァルトの才能を思いのままに自分のものにしたいコロレド大司教との確執。
息子を思うあまり厳しくあたりヴォルフガングと確執を深めていく父レオポルト。
ヴォルフガングの才能の理解者でもあり、また彼のために人生を失った姉ナンネール。
愛していれば分かり合えるといいながら、全然分かり合えてない妻コンスタンツェ。
本当の意味でヴォルフガングの才能を見抜き、母のように彼を導いてきたヴァルトシュテッテン男爵夫人。
それだけなら、単純に楽しめるのですが
いかんせん、ヴォルフガングがどうしようもない。音楽の才能以外は割りとクズ。(って実際歌われてますが。苦笑)
だから、なんか純粋に楽しめないんですよね。
ヴォルフガング自体は周り(父レオポルト)が何故自分の才能を認めてくれないのかって苦悩するけど、いや、ヴォルフガングこそ、なぜそんな享楽的な生き方をするんだっ!
(ってか無駄遣いしすぎでしょ。マジで。あとウェーバー家に簡単振り回され過ぎ)
だからもう、なんか、やっぱり好きな作品ではないな。と。
でも、観たくなるのはやっぱり楽曲が素晴らしいからだと思う。
ちなみに、各キャストの感想を少しだけ。
1幕の古川ヴォルフガングのあのぎこちない笑顔が苦手。なんなんでしょう。やっぱり古川くんはすまし顔でいるのが一番よいのかも。苦笑
以前よりはだいぶ声量が増えた気がするけど、それでもなんか音を外すというか高音がかすれるというか。
古川くんはガリガリのひょろひょろ(失礼)なんですが、最後モーツァルトが死んじゃう場面では、そのガリガリの身体がむしろモーツァルトが彼自身の身を削って作品を生み出してたように見えてそれはそれでよかったのかなと。
なんだかんだ言いながら、割と古川くんの声質は好きだったりする。
市村さんレオポルトはねぇ。。。。
いや、もう、古くからの市村さんのファンからは反感喰らうんでしょうけど、もう、ちょっとイチ舞台人としては無理かなぁ。。。(少なくとも私は)
滑舌が悪いとかそういうレベルではもはやないと思うんだ。
祐様は、まぁ、祐様でしたね。貫禄とか相変わらず素晴らしいのですが、やっぱり私 祐様の歌唱法好きじゃないわ~
とか思いつつ、だんだんクセになってきている気がしないでもない。苦笑
なんでしょうね。私、ぜんぜん香寿さんのお顔とか好きなタイプじゃないんですけど、香寿さんの歌、やっぱりとっても好きだわ。「星から降る金」とか、1幕と2幕で同じ曲なのに全然響き方が違うんですよね。
一緒に観劇した友人は涼風真世で見たかったそうですが。苦笑
お役がそうさせるのか和音さんのナンネールにやや感情移入しがちで。ヴォルフガングが小さい頃からずっと彼の才能を信じて理解してきたのに、特に2幕からは可哀想でね。。。あんな清楚で可憐なお姉様を持ちながら、なぜヴォルフガングがコンスタンツェに惹かれたのか謎だわ
けっこう嫌なヤツって印象だったコンスタンツェ。なにしろウェーバー家の一員だし。だったのですが、木下さんコンスタンツェを見ていると、いや、確かにヴォルフガングの大切な“音楽”のことを理解しようとしないとかそういうのはあるんですけど、それよりも夫婦の中の、まぁ、一言で言ったら価値観の違い的な?
ただの悪妻ではなく彼女なりの苦労や悲しみが伝わってきました。
やっぱり演じる人が違うと感じ方も違うんだなぁーと。
ミュージカル『モーツァルト!』
脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出/訳詞: 小池修一郎