宝塚観劇の日々

宝塚と観劇の日々

宝塚を中心に観劇の感想などを備忘録的に。。。

阿弖流為 –ATERUI–

先日まで梅芸DC(梅田芸術劇場ドラマシティ)で公演されていましたATERUI(阿弖流為)を観てきました。しかも縁あって千秋楽に観劇できるという幸運に恵まれました。

主演のまこっちゃん(礼真琴)の梅劇DC初主演ということもあり、ドキドキしていたのですが、そこは流石まこっちゃん、バウ(宝塚バウホール)で主演2回という経験がそうされるのか、堂々としたものでしたね~

 

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さて、ざっくりとした感想ですが、原作は有名な高橋克彦の小説「火炎」を基にしたお話です。近年では劇団☆新感線が舞台化したことでも有名な作品ですよね。

とはいって、世情に疎い私は原作を読んだ事もなければ、新幹線の舞台を観たこともなかったりまします。(´∀`;)

原作がある舞台を観劇する際って、原作を読んで予習とかするじゃないですか?でも、個人的にはあまりにも予習をしすぎて原作などに思い入れを感じてしまうと、舞台をまっさらな気持ちで観れなくなってしまうので、公演直前に予習することはなるだけ避けてるのです。

ただ、作品的には登場人物が多かったり背後関係などが複雑で予習したほうが良い作品もあると思うのですけどね。

個人的ベストとしては、少し前に(記憶がぼんやりするくらい前に)予習してから観劇するのですかね。

 

話をアテルイに戻すと、今回は全然予習してなかったです。忙しくてwikiすら読まなかった(苦笑)

どれくらいの知識だったかっていうと、舞台が東北地方ってことと、アテルイの最後の結末ぐらいでしょうか。(つまり全然知識ない)

 

 

今回の演出はスクリーンを上手に使用されていて、予備知識の乏しい私にはとてもありがたかったです。場面ごとにその地域が地図を使って現されたり、また、最初に主要キャストが登場するシーンでは名前が表示されたり。

現代劇以外だと、やっぱり馴染みがあまりない名前だったりしますしね。

大野拓史先生演出なのですが、同じ大野作品でも去年観た月組の「NOBUNAGA」は地理とか時間の経過あまり分からず、(たまにここ何処?って)混乱することがあったような記憶があるので、もしかすると今回大野先生が思考された部分なのかなぁ~と思いました。

ただ、逆に背景等は良いのですが、たまにキャストそのものがスクリーンに映し出されるシーンは、ちょっと・・・・と感じてしまいました。だって、生のお芝居を観に来てるんですもん。スクリーン越しなら映像で観るのとあんまり変わらないじゃないですか?まぁ、その演出はそこまで多用されてなかったので良いですが(逆に言えば、なくても大丈夫だった気も。。。)

 

 

ストーリーを簡単に言うと、8世紀東北へ支配を拡大する朝廷軍と東北の民 蝦夷(えみし)たちの戦いの物語です。

まっこっちゃんがその蝦夷軍勢のリーダーというわけです。

 

以下ネタばれ含むあらすじ&感想です。

 

 

まずは、キャストから。

 

阿弖流為(あてるい)礼真琴

言わずもがな、主役のアテルイことまこっちゃんです。

オープニングからキレッキレのダンスで魅せてくれます。お歌も相変わらずお上手ですし。あの髪型(鬘)やお衣装もお似合いでした。

前回のスカピンから感じていることですが、お顔の輪郭がシュっとしてきてて、また黒塗り系のメイクで男役度がググッと上がってきていたと思いました。

千秋楽ということもあるんでしょうが、まっこっちゃんが現れた時の客席の拍手の量が凄かったです。(*^-^*)

 

坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)瀬央 ゆりあ

せおっち~~~~~~!d(≧▽≦*d)

個人的に星組さんの中では赤丸急上昇なのがせおっちです。なんだか、最近美形に拍車が掛かっていません?宮廷服も大変お似合いで。身長が高いせいもあるんでしょうが、ステージの上にたつと目を引くんですよね~。(マジでヤバイ)

その上、今回は朝廷側とはいえ、けっして悪役や敵ではないお役で、むしろ心情的には蝦夷アテルイ)側というお役。アテルイを処刑した後からは、処刑した本人であるにも関わらず、アテルイを想う気持ちが伝わってきて思わず目頭が熱くなってしまいました。

 

伊治公鮮麻呂(これはるのきみあざまろ)壱城 あずさ

アテルイと同じくらい、熱い蝦夷の心と、熱い演技を見せてくれたのが、しーらんです。

しーらんも綺麗なお顔をしているのですが、髭も含めてカッコよかった。渋かった。

そして、しーらん演じる鮮麻呂が素晴らしくてですね。

全体的に素晴らしい演技だったのですが、特に宮廷側に捕らえられて檻の中に入れられていた時にシーンは本当に目を背けてしまうほどの熱演でした。まるで宝塚ではないようでした。

劇中で「阿弖流為蝦夷の心」ってセリフがありますが、アテルイの中には鮮麻呂から引き継がれた心があると思いました。鮮麻呂って物語の割と早い段階で出てこなくなるのですが、個人的には最後まで鮮麻呂の存在が感じられました。

 

母礼(もれ)綾 凰華

アテルイたち蝦夷軍のいわば軍師とも言えるのがモレ。綾ちゃんはこの作品を最期に雪組へ組替えが発表になっているのですが、だからなのか、通常の舞台でもそうなのか、お役のせいなのか、なかなか存在感のある生徒さんだと感じました。

まだ新公学年なんですよね。雪組でのご活躍に期待したいと思いました。

 

佳奈(かな)有沙 瞳

朝廷軍との戦いがメインの作品の中で、アテルイの妻となるのが、くらっち演じる佳奈。

顔立ちのせいか、それとも雪組時代の伯爵令嬢で演じたアンナの印象が強すぎるのか、ヒロインヒロインとした役柄ならともかく、利発な役だとともすれば(個人的には)悪役に見えてしまうきらいがあったので若干不安だったのですが、全然大丈夫でしたー。(´∪`*) ただの杞憂だったようですわ。(かわいかったー!)

小柄なせいか、まこっちゃんとの相性もよさそうでした。あのジャンピングハグ(?)ができるのは相手がくらっちだったからじゃないかなぁ~と。笑

 

飛良手(ひらて)  天華 えま

 ぴーすけも良かったですね。ぴーすけ演じる飛良手がいるからこそアテルイたちが朝廷側に戦いを挑むのかが分かりやすかったのではないかと思いました。

顔に書かれた模様(刺青?)も似合っていたし。

飛良手の最後のシーンも良かったです。

 

 

千秋楽ということで、組替する2人(綾 凰華、天彩 峰里)の挨拶があったのですが、みねりちゃんの事は全然知らなかったのですが、挨拶がめっちゃ可愛かった(´∪`*) まだ100期生ですもんね~。(挨拶の幼さが、逆に可愛かった)

宙組には同期で次期トップ娘役のまどかちゃん(星風まどか)もいるし、何気にみねりちゃんは真風(真風涼帆)のパーソナルブックにも出てたんですよね~。宙組でのご活躍を期待したいですわ。

 

 

それにしても、やはり本公演ではない別箱公演、DCだからかまっこっちゃんを支える仲間が若い生徒さんが大活躍していました印象ですね~(98期さん、大活躍だなぁ)

若い生徒さんが多いわりに、観ていて安定感のあるカンパニーだと思いました。

 

 

阿弖流為 –ATERUI–
原作/高橋 克彦「火怨 北の燿星アテルイ」(講談社文庫)
脚本・演出/大野 拓史

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